第143話爆食!フィレンツェ料理

文字数 1,080文字

私、純子と明太子女にとって、祐君の「フフン」は、やはり、「小悪魔の魅惑」だった。
確かに、そのフィレンツェ料理は、全て美味極まるものであったけれど・・・

「トリッパ:要するに西洋風モツの煮込み」
「リボリータ:パン入り野菜スープ」
「ビステッカ・フィオレンティーナ:フィレンツ特産のキアーナ牛を使い、塩・コショウ・オリーブオイルで味をつけ炭火で焼いたステーキ・・・特大!」
「パッパルデッレ:幅広の平面パスタ(名古屋のきしめんと近い!それに絶品ソースをからめてある)

それで・・・確かに、美味しい、食も進む。
しかし、「量」が半端ではないのだ。

明太子女が食べながら嘆いた。(その割には、食べるスピードが落ちないけれど)
「これは・・・確実に2キロは太る」

でも、私も似たようなもの(明太子女以上に食べているかも・・・あかん)

しかし、祐君は上手だった。
「はい、美味しいですよ、食べてください」なんて私と明太子女に進めながら(私も明太子女も素直だから食べてしまうけれど)自分の取皿には、ほどほどの量。
食べる以上に、レモンティーを飲んでいる感じ。

そして、食べ過ぎて、ゼイゼイしている私たち花も恥じらう乙女(笑わない!そこで)に、「ケーキにします?それともジェラートに?」と「小悪魔のささやき」をかけてくるのだから。

明太子女は、思い切り首を横に振った。
「ここで・・・止めます」(止めます?実にそのものやと思った)

私も同じ。
「もう、無理・・・口に入らない」(何のことはない、私もそのままやった)

小悪魔の微笑みの祐君は、どうやら、シェフとお知り合いのようだった。
食事が終わる頃に、シェフが私たちのテーブルに。(かなり恰幅のいい、髭の人、頭は薄い)
「祐君、大きくなったね、しっかり食べた?」
「この美女たちは、彼女?それともお姉さんかな?」(祐君は童顔だから、私たちが年上に見えるらしい)

祐君は、晴れやかな顔。
「いえ、同学年です、全員、この4月から大学生」
「シェフもお変わりなく、美味しかったです」

シェフは、祐君の肩をポンと叩く。
「お父さんも、お母さんも元気?」
「ああ!それから瞳ちゃんは?」(瞳さんは、祐君の強烈なお姉さんだ)

祐君は、笑う。(すごく自然な感じ)
「はい、全員、元気です・・・特に姉貴は」
・・・と、そこまでは良かった。

シェフが、そのまま帰ることを許さなかった。
「まだ、デザート食べていないでしょ?」
「食べ過ぎた?そんなのダメ」
「若いんだから、食べてね」

結局、ジェラート三種盛りと、チョコレートケーキを食べることになったのである。

・・・で、その後の体重?言えるわけないでしょ?(涙)
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