第361話伊東合宿⑤祐の裸体に・・・芳江との音楽話など

文字数 1,187文字

愛奈による祐の裸体暴露は、もう一つあった。
「祐ちゃんの、おへその下にね」
(あまりにも、あっけらかん、と言うので、女子たちは興奮している)

純子の豊胸はブルンと上下した。
「え・・・あの?」
朱里も、美乳を揺らす。
「見ていいのかな・・・見たい、うん」
春奈は、珍しく顏を赤らめた。
「子宝の・・・恥ずかしい」
真由美の声が上ずった。
「いつか、祐君をモデルにしたいなあと・・・」

あっけらかんの愛奈も、興奮状態に変わった。(声が裏返った)
「え・・・そこでなくてさ・・・」
「そこのちょっと上にも、ホクロがね、三つならぶ」

(途端に女子たちは、騒ぎだす)

「見たいよね」
「どうやって?」
「仕切りの隙間を探す」
「えーーー?覗く?」
「うん!確認のため!」
「せめてお尻でも」

・・・結局、仕切りに隙間はなく、女子たちの確認作業は失敗に終わった。
(それ以前に、祐は危険を察知して、お風呂から出ていた)
女子たちは、改めて検討会議を行う必要に迫られた。
(とにかく、祐については、裸でも何でも、見たいようだ)

そんな、祐にとって「迷惑千万なこと」は、ともかく、夕食(海鮮カレー)作りは、賑やか。
愛奈も加わり、女子たちは協力して、料理に取りくむ。
(祐は、紅茶を淹れる係と決められた)

少し暇を持て余す祐に、遠縁の叔母芳江が話しかける。
「どう?祐君、ピアノは戻って来た?」
祐は、コクリと頷く。
「随分触っていなくて、細かい乱れがあって」
「それを中村先生に指摘されて、練習した」
「まだまだかな、短い演奏なら問題ないけれど」
芳江
「身体と言うより、指のスタミナかな」

「去年は、受験期で、しかも夏休みは奈良に逃げていたので、練習はゼロ」
「指も動かなくなるよ、悔しいくらいに」
芳江
「いつか、祐ちゃんと本番デュオしたいなあと」
「あのライブバーでいいからさ」
祐は。うれしそうな顔。
「チェロソナタの夕べ?」
「芳江さんの、バッハの無伴奏も好き、聴きたい」
芳江は、はぁ・・・と祐を軽く睨む。
「あれ・・・難しいのよ」
「一か月は猛特訓、それでも本番ではドキドキ」
「ちょっとでもミスれば、全てがアウト」
祐は、また笑顔。
「大丈夫、芳江さんなら」
芳江は話題を変えた。
「今夜は、歌う、ジャズバラードがいい」
祐は、少し考えた。
「ゴスペルからカントリーにとかは?」
「ロックンロールもいい」
「人が多いから、遊べるよ」
芳江が頷いていると、カレーが出来上がったようだ。
女子たちが盛り付け、祐は紅茶(インド風のチャイ)を淹れた。

丸テーブルにして、愛奈がちゃっかりと祐の右隣をゲット。(ちなみに左隣は芳江)
愛奈が説明。
「マルセイユ風の地中海コクのある海鮮カレー」
祐は、言われる前から分かっていた。
「親父のレシピだろ?撮影の時に、よく作る」

愛奈は、笑顔で話題を変えた。
「さっき、祐ちゃんのホクロの話でさ、みんな見たいって」
女子たちは、全員赤い顔。

芳江は、プッと吹いている。
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