第358話伊東合宿③豪快海鮮散らしを食べながら

文字数 1,178文字

ランチは、伊東の海の新鮮な幸をふんだんに盛った「豪快海鮮散らし寿司」。
芳江が主導、女子たちが積極的に手伝い、完成。
(祐は、渋く伊東のグリ茶を淹れて回った)

ランチの司会は、祐。
「事件の時は、本当に心配かけました」
「何とか、生き返ってよかったです」
「連休明けに、相手方の謝罪があって、処理が進みます」
「今回は、そのお礼、今までの感謝をこめて、伊東に来ていただきました」
「皆様、本当に、ありがとうございました」
「お召し上がりください」

大きな丸テーブル。
祐の隣には芳江、そして真由美が座る。(芳江以外は、くじびきで決めた)

真由美(祐のスピーチでウルウルしている)
「祐君は、私を金属バットからかばって、自分で受けてしまった」
「もしかしていると、私が死んだかも」
「祐君は、命の恩人だよ」
祐は、そんな真由美の取り皿に、海鮮散らしを盛る。
「気にしないで、まずは食べて、新鮮なうちに」
純子も、少し潤んだ。
「私だって、角度が違えば、危なかった」
「生きていて良かった、こんな美味しいものを食べられて」
春奈は、バクバクと食べる。
「思い出すと、今でも悔しい」
「その分、食欲も増す」
朱里は祐の顏を見た。
「私は、祐君が好き、落ち込んでいても、必ず立ち直る人」
「前より、顏が明るくなった」

食べながら、芳江から説明があった。
「午後は周囲を散歩しましょう」
「かなり美味しいケーキと飲み物を出す喫茶店を予約しました」
「歩いて、伊豆高原のいろんな店にも行けます」
「連休中なので車も多いので、歩いた方が速い場合もあります」
「ただ、人気がある店は行列です」

途中、スマホを見ていた祐が発言を求めた。
「今、愛奈と吉田マネージャーが参加したいとのメッセージ」
「えっと、いいかな、みんな」

女子たちは全員賛成と、笑顔。
祐は「OK」と返信。

途端にワイワイと話が盛り上がる。
純子
「すごいことになって来た」
真由美
「国民的美少女の愛奈ちゃんと遊ぶなんて」
春奈
「芸能界の話も聞けそうだね」
朱里
「一緒にお風呂も入ろうよ」

芳江が祐の肩をポンと叩いた。
「人気あるわね、相変わらず、愛奈も来て、明日からジュリア」
祐は苦笑。
「時に、憎まれるのかな・・・だから、襲われた」

その祐に、真由美が小さな声。
「お父様の哲夫先生とお母様の彰子先生が、私の家にお礼に」
「ありがとうございます」
「すごく貴重な写真、夜明けの大宰府天満宮の未発表の見事な写真・・・神がかったって、母が言っていたよ」
「お二人のサイン入りで・・・家宝にします」
祐は、頷く。
「お世話になっているから」
そして、純子と朱里、春奈の顏を見た。
「みんなの家にも、行くとか、何かが届く」
「森田哲夫事務所の事業への協力謝礼もあるから」

真由美は、また小声。
「祐君と博多に行きたいなあ、案内するよ」
祐は、はにかんで笑う。
「あの天満宮の写真、僕が助手だよ」

真由美は、真っ赤な顏になっている。
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