第296話祐のグラビア騒動

文字数 1,306文字

私、恵美は、元気はつらつ(最近カップも大きくなった)の最強女子高生だ。
といっても、その最強対象は、従兄の祐ちゃんだけれどね!

何しろ、生まれた日の乖離が、実日数で7日だ。(同じ年で、祐ちゃんは3月31日、私が4月7日)
さて、そんなことはともかく、「祐ちゃんは忙しい」らしい。(純子さんや、真由美さんとの夜間メッセで、重々聞いている)

そこで心配なのは、祐ちゃんは、アホのように根を詰めるタイプであること。(少しは、私の大らかさを見習って欲しい)(鬼母に言わせれば、私はズボラらしいが)

もう一つある、それは国民的アイドルの桜田愛奈ちゃんの暴走。
何かあるごとに愛奈ちゃんは、祐ちゃんに深夜長時間泣き落としをかけると言う。
(高校生の時は、それでも遠慮したらしい)(でも都内に住んで、それが増したとか)
(週に2~3回あるとか:祐ちゃん談)

あと・・・愛奈ちゃんの暴走懸念は、もう一つ。(これも危険)
インタヴューかなんかで、「祐ちゃんとのこと」を、口走ってしまうこと。
(確かに、子役モデル同士で、仲は良かったけれどね、それで私も妬いたし)
(そんなことになって、マスコミが祐ちゃんを襲ったら・・・真面目な祐ちゃんでは、倒れるしかない)
(好きな古文のバイトにも、憧れお姉さまのジュリアとの演奏にも、大リスク発生になる)

で・・・前置きが長くなった。(ついつい・・・祐ちゃんのことになると)
純子さんと真由美さんは、ソワソワしている。
理由は「嵐の停電の夜に、祐ちゃんがジュリアのアパートで一泊したこと」

だから、逆に聞いてみた。
「何かあったら、祐ちゃんを諦めるの?」
「ジュリアと祐ちゃんが・・・その・・・男女の関係になるって思っているの?」

純子さんは、珍しく「動揺」フェイス。
「うーん・・・諦めん・・・好きやもん」
真由美さんは、顏が真っ赤。
「思い込んだら命がけが、博多の女」
「相手が誰であろうと、奪い取ります!」

だから言ってあげた。
「祐ちゃん、抱かれて寝た・・・眠った程度だよ」
「ジュリアは、酷いことはしない、大人の女性」

純子さんと真由美さんが、落ち着いたので、話題を変えた。
「そんなことより、愛奈ちゃんを心配して」
「あの子、ストレスたまると、祐ちゃんを、はけ口にする」
「深夜電話だけでも、祐ちゃん、キツイと思うよ」

純子さん
「祐君も、時々、ポロッと言うよ」
「愛奈は。もう嫌だとか」

真由美さん
「釘を刺したいけど、逆ギレとか、暴発も怖いなあと」

「祐ちゃんに、その気はないしね」
「今は、目の前のバイトで、そんな余裕もないし」

そんな「堂々巡り」をしている時だった。
私の鬼母が、ノックもなしに、部屋を開けた。
「恵美、ちょっと来て!」

私は、反発した。
「今、祐ちゃんのことで、純子さんと真由美さんと会話中!」
鬼母は、引かない。
「いいから・・・愛奈ちゃんと、マネージャー、それから会社の社長が来ている」
「何か、もめている、祐ちゃんの名前も出ている」
「呼び出すとまで」

純子さんと、真由美さんは、聞いていた。
純子さん
「とにかく、何か危なそう、早く行って!」
真由美さん
「マイクはオンに!私たちは祐君を監視する」

・・・これが、祐ちゃんのグラビア騒動の始まりである。
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