第237話祐君は愛奈さんを心配する。

文字数 1,239文字

愛奈さんは、本当にうれしそうに帰って行った。(ドラマで見る時より、笑顔が自然だった)
私、純子はもちろん、女子全員がサインをもらった。(祐君は、今さらと、もらわなかった)
それにしても、祐君は底が知れない。
国民的美少女の愛奈さんにも、一歩も引いていない。(風岡春奈には引いているから、性格が合うとか、合わないのが基準らしい・・・でも、それが自然だな、と思う)

朱里はタクシーで帰ったので、真由美さんと、少し相談。
(祐君は、お風呂に入っている)


「ねえ、真由美さん、例の動画は、難しいよ」
真由美さんも、それはわかっていた。
「あれは、祐君と愛奈さんが、難しい雰囲気だったから、気分を変えただけ」
「まさか、琵琶湖まで、それだけのために、行けない」

「モデル料を聞いたのが、まずかったかな」
「祐君の判断が妥当」
真由美さんは、違う考えだった。
「お金の問題だけ片付けば、そんなに変ではないかな」
「古文と愛奈さんの相乗効果も期待できると思うよ」
私は、ホッとした。
「祐君は、慎重派だから、あんなことを言うけれど・・・ありがとう、真由美さん」
真由美さんは、さわやかな笑顔。
「先生方とマネージャーにも、また相談・・・写真は私でも祐君でもいいよ」
私は、「希望は持ち続けましょう」と、真由美さんと握手した。

祐君が、お風呂から出て来た。(紺のスエットの上下・・・可愛い・・・食べたくなる・・・って・・・恥ずかしい)
「ごめん、寒くて、先にお風呂」


「カロリー不足では?」
真由美さん
「愛奈さんで神経使ったの?」
祐君は、頷く。
「うん、感情の起伏が激しいの」
「すぐに怒るし、泣くし、我がままな子」
「撮影でも、トラブルメーカーだった」(ほお・・・知らなかった)


「祐君が、慰め係なの?」
真由美さん
「祐君、それ似合うよ」(祐君のやさしさと、頭の良さを見抜いている)

祐君は、苦笑い。
「すごくスタイルを気にする」
「でも、よく食べるから、おなかポッコリになる」
「だから、水着モデルは無理」(・・・言い過ぎ・・・国民的美少女に!)


「今回の相談も、実はそれだよね」
真由美さん
「グラマーなタイプではないか」(さすが美大、モデルとして見ていたのかも)

祐君
「見せる仕事、人に見てもらうのが芸人の仕事」
「でも、見せられなければ、見せないのも、大事」
「無理して見せる必要はない」
「それを、落ち目の女優がするけれど」(・・・愛奈さんは、落ち目ではない、他に理由が?)


「見ない方がいい場合が多いよね」
真由美さん
「年齢美も否定はしないよ、でも美しいと思えない写真が多い」

祐君は、難しい顔になった。
「年を取って、演技力に欠ける人が落ち目になって、収入が減って、会社の借金が増える」
「その借金を返すために、一時的に話題になる、露出系の仕事を受ける」
「でも、それも売れないと、ますます、酷い目に」
「愛奈は、まだその時期でない・・・よほど、酷い社長かもしれない」
「派手好きな社長とは聞いていたけどね」

祐君は、芸能界にも、詳しいらしい(実に底が知れない)
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