第164話伊東の別荘にて②伊豆高原散歩

文字数 1,363文字

私、恵美は今回のツアーコンダクターとして次のスケジュールを発表。
(祐ちゃんにも言った、任せて!と)
(祐ちゃんは、いろんな難しい原稿作りでバテているので、神経を使わせたくなかった)
(だから昨日の晩から芳江叔母さんと計画を作った)、

「お昼は、テラスで、海を眺めながら、海鮮パエリャ!」
(純子さんと真由美さんが、本当にうれしそうな顔・・・それが私もうれしい!)
(祐ちゃんは、え?とびっくり顔・・・でも一歩遅れる)
芳江叔母さんが、フォローしてくれた。
「もう、準備済です」
「さあ、動いて!」

さて、海鮮パエリャは、大成功だった。
純子さん
「私、奈良育ちなので、海を見ながら食事ってできなかった」
「それに、新鮮な・・・海老とかイカも初めてです」(食も進んでいる)
真由美さん
「博多でも、なかなか食べられません、この鮮度」
「味付けも最高です」
「父も母も和食派だったので、こんなお洒落なパエリャは・・・天国です」
(真由美さんも、食が進む)

課題の(食が細い)祐ちゃんも、いつもよりは食べている。
「芳江叔母さんの味付けのほうが好き」
「親父が味付けをすると、香辛料が強すぎる、ニンニクも」
「スペイン風って言うけどね」(ここで、お父さんの文句?でも、哲夫さんの料理は豪快が特徴だよ、私は、どっちも好き)

祐ちゃんはともかく、女子たちは海鮮パエリャを爆食。
その後は、伊豆高原を少し観光する。

「シャボテン公園」
シャボテンはそれなりに。
それよりも、動物をたくさん見る。(祐ちゃんの「気」が休まるかなあ・・・と)
カピパラ(巨大なネズミ?)、ラマ、カンガルー、孔雀、ナマケモノ、ミナミコアリクイ、アルマジロ、アカハナグマ、コツメカワウソ・・・

しかし、一番驚いたのが、放し飼いのリス猿!(メチャ小さくて可愛い!)
突然、園内を集団移動(それも速い!ダダダーーーって感じ、私たちの目の前だった)
純子さんも真由美さんも手を叩いて大笑い!(一歩遅れる祐ちゃんもニコニコと)

シャボテン公園の次は、大室山を車で一周して、テディベアミュージアム、オルゴール館、花の絵美術館、わらべ絵館などを見学。(たくさんあるので、見きれません)

芳江叔母さん
「祐君のお父さんの哲夫さんも、アドバイザーになっている施設が多いの」
「いつかは平井哲夫写真館をって、言われているよ」
「そうしたら、また伊東名物が増える」

祐ちゃんは、気乗りがしない、そんな顔。
「できないことはないけどさ・・・」
「僕は、そういう話になると、すぐに名前が出る」
「違うことしたいの」

芳江叔母さんは、プッと笑う。
「それは名前が出るだけよ」
「祐ちゃんは、何でもできる人だから」
「でもね、祐ちゃんは、今は秋山先生と平井先生のことに集中でしょ?」

祐ちゃん
「うん」(声が疲れ気味)

芳江叔母さんは、祐ちゃんの気持ち(疲れ気味とプレッシャー)を見抜いている。
「大丈夫よ、祐ちゃんならできる」
「頑固な権威主義をコテンパンにして」
「音楽界でもいるの、そういう権威主義の人」
「難しく他人がわからないような知識と言葉を振り回して、偉そうな顔をするジジイたち」
(あはは!と笑えるほど、小気味がいい)
「古今の歌人も、紫式部も、そんな権威主義ジジイは嫌いなはず、祐ちゃんなら、わかるでしょ?」

祐ちゃんは、クスッと笑った。(ようやく機嫌が直ったような、可愛い顔だ)
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