第169話伊東の別荘にて⑦ベッドでも女子会

文字数 835文字

露天風呂に続き、ベッドを三つ並べて、女子会となった。
ハツラツ女子高生恵美ちゃん(コロコロして可愛い!)を真ん中にして、私、真由美と純子さんが囲む。

最初の話題は、やはり祐君のピアノと歌。
純子さん
「マジ?と思うた、あのままアイドルで通用する、ほんまに」(関西弁・・・なかなかいい感じ)
恵美ちゃん
「うん、そっちの道でもよかった、でもさ」
私は意味不明
「でもって・・・何か?」(まだ博多弁はつかわん)
恵美ちゃん
「あまり人前に出たがらない、俺が俺がのタイプでない」
「やる時は、ビシッと決めるよ」
純子さん
「とにかく、いろいろ才能尽くしね、すごいなあと」

「源氏もそう、古今もそう、音楽も料理もカメラも?」(我ながらメチャクチャな順番)
恵美ちゃん
「本人も、どれをどうって決めていないかも、今は古典か・・・」
「でも、そればかりだと、他の才能がもったいない」
純子さん
「驚いたのは履修科目で、経済学を取りたいってマジな顔で」
私も驚いた。
「え?祐君が経済学者?はぁ?」
恵美ちゃん
「案外、数学が好きなの、あの顔で」
純子さんがプッと吹いた。
「あの顔で・・・って何?」
私もおなかが苦しい。
「アイドル経済学者?合わん・・・予想がつかんばい」(あ・・・博多弁が出た・・・)
恵美ちゃんが、祐君の口ぶりを真似した。
「最近の物価上昇は、政府と日銀の対策が遅れて」(上手い!でも笑える!)
純子さんも笑う。
「マジに祐君そのものや!お人形さんが物価上昇とか政府とか日銀とか?」

「明日本人にお願いしてみようか?」
恵美ちゃんは手を叩く。
「あーーー面白いかも・・・あの嫌そうな顔は可愛いし」
純子さんは含みのある顔。
「祐君が、嫌って言ったら?」
私は、その答えがわかった。
「恵美ちゃん・・・思いっきり?」
恵美ちゃんは、にっこり。
「思いっきり、お尻を蹴飛ばします」

隣の女子会では、「盛り上がっているらしいな(話の内容は不明)」と思うけれど、祐はやはり、疲れていた。
ベッドに横たわると、ものの5分で、夢の世界の住人と化している。
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