第382話講演代読当日①朝~会場

文字数 755文字

大型連休が明け、ついに秋山先生の講演代読の本番当日の朝になった。
私、真由美が見る限り、祐君に緊張は見られない。
むしろ、気だるい雰囲気で、ボンヤリしている。
(ちなみに、昨晩からの添い寝は純子さんと私だった・・・祐君は美味しかった・・・詳細は省きます)
でも、緊張で眠れないよりはいいかな、と思う。
(根を詰め過ぎて、転んで倒れたこともあるから)

祐君の食欲は、普通。
(それも安心する、それでいい)
(変わったものも出していない)

食後、少し休んで、千歳烏山から八幡山のスタジオまで、ゆっくり散歩。
女子たちも気を使って、普通の世間話しか、しない。

八幡山スタジオについて、紅茶を飲んでから、軽く練習。
祐君も本気を出していないので、スルスルと読むだけ。
(上手も下手もない感じ、詰まることもない)

練習を終えて、いつものライブバーに。
マスターも余計なことは言わない。
メニューはドライカレー。(少し辛めが美味い!)
祐君は、いつもより、食べるのが速い。(緊張して来たのかな)
汗もかいている。(辛いだけかもしれない)

ここでも女子たちは、余計なことは言わない。
普通の女子トークに終始している。

ライブバーを出る時、珍しくマスターが見送りに出て来た。
祐君の背中をポンと叩いた。
祐君は、にっこり。(実に可愛い顔で)
そして、マスターとグータッチ。
(いいなあ、気合を入れたのかな)

祐君は、何も話さず、女子たちは女子トークのまま、銀座の講演会場のホテルに入った。
祐君は、出版社の佐伯さん(若い女性)(前回祐君とトラブルを起こした人とは違っていた、配慮されたのかもしれない)と一緒に、講演者用の楽屋に向かった。

私たち女子は受付と書籍販売の打ち合わせのために、ロビーに。
純子さんが、つぶやいた。「祐君、大丈夫かな」
女子たちは、同じ思い。
(心配で、胸が痛い)
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