第332話祐君は、いきなり走ったようだ。純子と真由美はダウン。

文字数 1,239文字

私、田中朱里は、午前7時に祐君のアパートのチャイムを鳴らした。
早過ぎ?いや・・・昨晩は純子さんと真由美さんが祐君の面倒を見ると「言い張った」から、仕方なく任せてあげた。
でも、何か(絶対に!)アヤシイ目的を持つ「言い張り」としか思えなかった。
「鳴くまで待とうホトトギス:家康公」作戦の私ではあるが、どうも気に入らない。
だから、(「条件」として、「せめて、朝ご飯を一緒にしましょう、名古屋風のモーニングをお持ちします」として両名の「了解!」を得た)

それで・・・すぐに真由美さんがドアを開けてくれた。
「あ・・・おはよう、ありがとう・・・」

・・・「どうしたの?顔、真っ赤」・・・
真由美さんは、顏は赤い、美脚を見せつける短いホットパンツ・・・気に入らん!
胸(私より小さいけど)上下しているし・・・追及せねば・・・

部屋に入ると、純子さんも「おはよう・・・」と、目がトロンと・・・はぁ?
ご自慢の巨乳は、「ゆさゆさ」だ。(大きければいいってものではない!)
純子さんも短めのキュロット・・・むっちり太もも・・・私より太い。
・・・いや、そんなことではなくて、その目のトロンは何?
本当に二人とも、何があったの?

祐君が顏を見せた。(少し顏が赤い)
「朱里さん、わざわざありがとう」
でも、息は整っている。

真由美さんが、事情説明を開始した。(しかも涙目だ)
「祐君が悪いの・・・」(意味わからないって・・・それじゃ)
純子さんも、ゼイゼイしている。(おい!また揺れているって)
「最近、食べ過ぎって言われて・・・うん・・・」(ほお・・・祐君はシビアだよ、時々)

祐君はケロっとしている。
「少しランニングしたよ」
「でも、ついて来るって言うから」

真由美さんが涙目の抗議。
「祐君、足、速過ぎ、少しは待ってよ」
純子さんも、文句。
「逃げ足?まったく!」

祐君は、かまわず、にこにこしている。
「走りたいなあと」
「気持ちよかった」

私は、ようやく事態を理解した。
要するに祐君が、何らかの理由で走りたくなって、走った。
その祐君を純子さんと真由美さんが、追いかけて走った。
しかし、祐君は中学生の時は、陸上部で元々足が速かった。
で、ついて行き切れずに、二人ともダウン状態。

しかし、「何故、祐君が走りたくなったのか」も聞きたい。
(走った直後でケロッとしているから大丈夫とは思うけれど)
でも、ここで急かさないことにした。(鳴くまで待とう:家康公作戦を取った)

結局落ち着いて、名古屋風モーニングにした。
・定番餡バターサンド
・ゆで卵
・濃い目に淹れた珈琲
・作りたての野菜サラダ。

祐君は、ニコニコ。
「美味しい、懐かしい、この味」
純子さんの、揺れる胸も落ち着いて来た。
「うん、独特だよね、この濃い味系」
真由美さんも、よく食べる。
「後を引く、この餡バターは」

そんな名古屋風モーニングを終え、お片付けをしていると、祐君のスマホに着信。
ジュリアのようだ。
祐君の声が弾んだ。
「わかった、行く」
「モーツァルト?了解」

どうやら、お昼のライブバー演奏が決まったようだ。
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