第318話全員で仲良くケーキの後 凶行発生!祐は死亡?

文字数 976文字

祐と杉田香織のデュオ練習が終わった。
本当は休憩時間に食べる予定だったケーキを全員で、食べはじめる。
祐は指定の「フランボワーズ」をうれしそうに食べる。
そのうれしそうな顔に、女子たちから、突っ込みが入った。

純子
「そんなに、フランボワーズが好きなの?」
真由美
「いつもはチョコレート系だよね」
田中朱里
「うん、顏が違う、フランボワーズの時は」
春奈が、仕掛けた。
「初恋の彼女との思い出の味とか?」
杉田香織
「それ・・・聴きたい、マジに」(その言葉で、他の女子たちの厳しい目も祐に集中)

祐は、ケーキを飲み込んで答えた。
「そんなものでなくて、姉貴のことを思い出した」
「いつもフランボワーズを食べてさ」
「静岡で最後の日に、少し食べたいってお願いしたの」

女子たち全員が「フン」と頷くと、祐は続けた。
「そしたら・・・珍しく四分の一くれた、それが美味しかった」
「だから、食べたくなった」

純子は、祐をじっと見る。
「お姉さんが好きなの?」
祐は微妙な顔。
「マジにウザいと思うけど、心配」
真由美
「それが姉と弟かな」
田中朱里
「お逢いしてみたいなあと」
祐は、首をしっかりと横に振る。
「無理、完全体育会系で、ゴリラみたいな女」
杉田香織は呆れた。
「そこまで言うの?」
祐は、思い切り「うん」と、頷く。

・・・そんなたわいもない話を終え、祐と女子たちは、八幡山のスタジオを出た。

そして、駅までの道を数百メートル歩いた時、「大事件」が起きた。

突然、祐めがけて野球のボールが、ものすごいスピードで飛んで来たのである。
祐が避けてしまうと、その先には、数人の小学生。(そのスピードからして、怪我をしてしまう威力)

「危ない!」
祐は、咄嗟に鞄で、その野球のボールを叩き落とした。
女子たちは、そのボールを投げて来た人間を見た。
野球帽をかぶった男子高校生、真由美は、そのままスマホで写真を撮ろうとする。

しかし、その男子高校生の「凶行」は止まらなかった。
「うるせえ!写真なんか撮るな!」と激高。
今度は、金属バットを思いっきり真由美に投げつけた。

祐の動きは、今回も速かった。
サッと、真由美の前に立ち、飛んで来る金属バットを鞄で叩こうとする。

しかし、金属バットは、祐の手前で落ち、不規則に跳ね返り、祐の顎を直撃。
祐は、そのまま意識を失い、道路に転がった。

そして、その祐を、通りかかった乗用車がはね飛ばしてしまったのである。
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