第378話祐君は、バテていた。春奈と朱里も添い寝OK

文字数 1,362文字

私、春奈は他の女子たちと一緒に、今日も祐君の「講演代読練習」に付き合っている。
ひいき目でなくて、祐君は上手になっている。
「間の取り方」がいい感じ、最初より、かなり聞きやすくなった。
少なくとも、大学の講義よりは、聞きやすい。

でも、フラチな思いではないが(少しはあるけれど)、祐君の口元が、妙になまめかしい。
キスして欲しい、ずっと見ていると、そんな衝動にかられてしまうのだ。
(口だけでなくて、身体のあちこち・・・思って恥ずかしい)
(でも、私も、若い健康な女子、そういう欲は否定しない)
(祐君みたいな超美少年を見ると・・・そうして欲しくなる)

伊東の合宿での混浴を思い出した。(身体が熱くなって来た)
最初は、すごく恥ずかしかった。
(つい、女子全員のノリで、祐君を襲った)
(私の目は、数分で慣れた・・・・祐君は、どうだったのか・・・チラ見しかできなかった)

そっと純子さんに聞いてみた。
「抜け駆け禁止条約は、一人で抜け駆けを禁止するってことだよね」
純子さんは、頷いた。
「そうだよ、だから添い寝は最低2人」
朱里さんが寄って来た。
「昨日は純子さんと真由美さん」
「だから、今夜は・・・春奈さんと・・・いいかな」
真由美さんは、祐君を見た。
「祐君がOKすれば、ここで問題を起こしても」
(要するに取り合いして、繊細な祐君を悩ませたくない)
純子さんは、また別の視点。
「ジュリアさんも狙っているし」
「まあ、愛奈ちゃんとは、そうならないと思うけれど」

結局、私と朱里さんが「添い寝希望」になって、女子たちの相談は「夜の献立」に移る。
「お昼はこってり系のカレードリア」
純子さん
「祐君、食べていたけれど、最後にペースが落ちた」
真由美さん
「まだ、胃が完全に回復していないかも」
朱里さんが提案。
「マグロにトロロをかけた、山かけ丼は?」
純子さんは目が輝いた。
「いいね、スタミナ食かな」
真由美さんは笑顔。
「祐君、喜びそう」
朱里さんは、少し冷静。
「帰りに、お丼を買いましょう、祐君の食器棚になかった」

そんな話をしていると、祐君が休憩のために戻って来た。
私と朱里さんが、「泊ること」を言ったら、「講演会でお世話になるから」と、あっさりOK。
(お世話になっているのは、私たちだけどね)
「マグロの山かけ丼」を言ったら、「お願い」があった。

祐君は(首元に汗・・・なんか艶めかしい)
「できれば、酢飯に、僕がやってもいい」
「伊東で実は、よく作った、芳江さん直伝」
「少しタンパク質も補充したくて」
(・・・その意味は不明だった)

そんな話がまとまり、全員で休憩のお菓子タイム。
もちろん虎屋の羊羹と、濃い目の煎茶(川根産)。

マスターの言う通り、確かに絶品、至高の組み合わせだった。
純子さん
「この羊羹は、確かに芸術、私の親父も、菓子屋だけど真似が難しいって」
朱里さん
「お互いの味を引き立て合う、珈琲では違う、紅茶でも・・・合わないよね」
真由美さん
「難しいことは考えない、ただ美味しいだけ」

羊羹とお茶タイムが終わり、祐君は眠そうな顔になった。
「帰って昼寝したいなと」
(これで、おなか満足なの?)(やはり小食)

肩を揉んであげた。(首を回していたから)
けっこう、凝っていた。
で・・・ありえないくらいに、ストンと眠ってしまった。
(講演会場の下見、ライブバーでの演奏、講演代読練習で、バテていたらしい)
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