第128話祐は、現在の気持ちを語る。

文字数 585文字

私、真由美は聞いてみた。
「ねえ、祐君も写真を撮るのは好きなの?」
祐君は、頷く。
「好きだよ、いろいろあっても、あちこち行くのが好き」
純子さんが、祐君を見た。(その動きが、自然だ・・・って、近づいているし!)
「ねえ、祐君、私、奈良育ちで、海とか浜が見たいなあと」
祐君
「そうなると・・・鎌倉かな」
「由比ガ浜とか」
私は、ピンと来た。
「サザンとか、聞こえて来そう」
「行って見たい」
純子さんもノリがいい。
「江ノ電とか、鎌倉大仏」
「アジサイ寺の明月院」
私も負けてはいられない。
「恋愛映画とか、アニメの聖地かな」(要するに一緒に行きたい、と誘っている)

祐君は、済まなそうな顔に変わる。
「アルバイトとか、あるよね」
「日曜日もどうなるやらで」

これには、私も純子さんも、シュンとなった。

純子さん
「土日連続は・・・辛いよね」
「講義の合間に行ける距離でないし」
私は、心が折れた。
「祐君の負担になってもね」

祐君は、そこでポツリ。
「とりあえず平井先生は二週間間隔」
「秋山先生は、交渉してみる」

純子さんも私も、「うん」とだけ。

祐君は続けた。
「僕だって、土日は自由にしたいよ」
「あまり、字ばかり見ていたくない」
「写真も美術も、映画も音楽も好き」
「評価してくれるのは、実にありがたいけれど」
「古典ばかりに、縛られたくないもの」
「それを、両先生に言うよ」

そこまで言って恥ずかしそうな顔。
写真集を見始めている。
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