第184話祐は女子会は苦手

文字数 923文字

私、純子は、春奈さんを含めて、全員で万葉集の話をする、と思っていたけれど、そうはならなかった。
それは、祐君が原因。(責任を押し付ける!って・・・いじめるのも可愛いかも)
なにしろ、佐々木先生から渡された万葉集の「歌とか課題」を目にしながら、突然「本音」を言い始めてしまったのだから。(最初は女子三人で、え?え?え?だった)

祐君は、はにかんだ顔で、たどたどしい話し方。(・・・ったく・・・そそるなあ・・・)
「いろんなすごい先生に評価されて」(うん、と女子全員がうなずく・・・って・・・うなずき人形か?)
「でもね・・・せっかく最先端の街、東京にいる」(話の展開が読めない女子三人は、またうなずき人形だ)
「万葉も、古今も、源氏も、千年以上前の文」(ふむ・・・うなずき人形三体は、祐君の口元に視線集中・・・私は、その唇をゲットしたいなあ・・・って・・・話を聞こう)

「高校生の時、字ばっかり読んでいる・・・って姉貴が怒ったけれど」(・・・ここで、あの最強お姉さま?・・・やはり仲がいいの?嫌いと言いながら・・・笑える)

「つまり、最先端の場所も歩きたいなあと」(ようやく、話の意味が見えた・・・順番がイマイチや、最初から、一言で終わることや・・・要するに、キラキラ都会もいいなと)

春奈さんが、最初の反応。
「私は調布で生まれ育ったから」(う・・・唯一の東京人?)(地方出身者やな、うちも真由美さんも・・・どうしても引く)
「逆に千年以上前の文化が残る、奈良、京都、大宰府が新鮮なの」

真由美さん
「私は、博多出身ですから、やはりキラキラ東京も歩きたいなあと」
「博多もキラキラしていますが・・・やはり、東京からの輸入なので」

私は、少し引く。
「私なんて、元興寺町だもの・・・マジに目立たん街、歴史だけが古い」

祐君が話をまとめた。
「要するに、大都会東京も楽しみたいなあと」
「勉強と古文の空き時間を探して」

真由美さん
「私は、六本木とかのヒルズを歩いてみたい」

「田園調布って、どんな感じかなあと、そういう高級住宅街も見たいかな」
春奈さん
「全員で、都内を歩く?」
「案内するよ」

私と真由美さんが、うなずき人形となるけれど、祐君は下を向いている。
どうやら「女子会は、苦手」のようだ。
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