第257話愛奈は連夜で祐にラブコール

文字数 1,220文字

午後11時、祐のスマホが鳴った。
祐は、顏をしかめた。
「また、愛奈?連夜だ、こいつ・・・始まったか」
だから、祐は、面倒。
「何?この夜更かし姫?」
愛奈は、はしゃいだ。
「あ!それ、懐かしい!姫って好き!」
「王子様のお声が聴きたくて・・・」
祐は、この愛奈につきあいたくない。(長くなるから)
「じゃあ、おやすみ」と切ろうとする。
(でも、無理だった)
愛奈
「いい?泣くよ、そんなことしたら」
「また押し掛けるよ、今度はネグリジェ一枚で」
祐は首を傾げた。
「愛奈のネグリジェ?」(子供顔、子供体型の愛奈には似合わないと思っている)
愛奈は、ドキッとした。
「えへへ・・・見たい?」(実は、見せたい気もある)
祐は、プッと吹く。
「見て、どうするの?愛奈でしょ?」(つい、本音気味になった)
愛奈はムッとした。
「どうせ、胸は小さいし、足も短いですよ」
「純子さんにも、真由美さんにも、朱里ちゃんにも負けますよーだ!」
祐は焦った。
「愛奈は、可愛さが魅力でしょ?」(つまり、子供と言いたい)
「足は、そんなに短くないよ、キレイと思うよ」
愛奈は、顏が赤くなった。
「見せたことあった?」
祐は。落ち着いて、スラスラと。
「あったよ、中学2年かな、すごく短いジーンズの短パン」
「あれ、きれいだった」
愛奈は、途端に笑顔。
「え・・・あ・・・あれ、私も好き」
「祐は、ああいうのが好きなの?・・・脚派?」
祐は、ここでも冷静。
「僕は、ただあの時の愛奈が可愛いと思った」
「輝いていた、それだけ」
愛奈は、祐に絡みたくなった。
「元カノとして?モデルとして?」
祐は、返事に困る。
「あのさ・・・いつ、彼女なの?」
愛奈は、ボソボソと語る。
「一緒に七五三のモデルになった時から」
「で・・・祐君に、私はフラれた」
「年上のお姉さんたちに、取られ続けた」
祐は、眠くなって来た。(すでに日付が変わり、午前1時を過ぎた)
「取られたと思うの?どこに目を付けているの?」(声も眠くなっている)
愛奈は、祐の眠さを察した。(でも、自分を抑えられない)
「うるさい!そう思ったから、そう言ったの」
「私は、祐ちゃんが好きなの、この浮気男が、好きなの」(愛奈は、いつもの勢いで迫る)
祐は、もう眠くて、限界。
「浮気も何も・・・愛奈ちゃんとは・・・」
「恋愛とか、そういう関係でもないよ」
「でも、好き、それでいいと思うよ」
愛奈は、懸命に甘えた。
「嫌、私だけの祐ちゃんがいいもん」
祐は、頭がぼやけて来た。
「国民的美少女の愛奈がそれを言うの?」
愛奈は、もう必死。
「うるさい!こんど取材で言うよ」
「私には好きな人がいますって」
「名前言っちゃうかな」
祐は、あくびをしながら返す。
「そんなことしたら・・・仕事の仲間から外す」
「迷惑でしかない」
愛奈は、シュンとなった。
「あ・・・ごめん・・・もう言わない」

祐は、「この姫には手を焼く」と言って、電話を切った。(眠さも限界だった、連夜でもあったから)

愛奈は電話を切られて、泣き出した。

「祐ちゃん・・・逢いたいよ」
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