第289話純子と真由美の夜 祐君急襲計画とは?

文字数 1,183文字

私、純子は不安だった。
祐君がジュリアの家で一泊する、と連絡して来たのだから。(メッセージだった)
その理由は、停電、激しい雷と風雨、京王線が事故のため止まっていること。
祐君からのメッセージの後、ジュリアからは音声通話。(日本語入力は、まだできないとか)
「ごめんね、雷にすごいトラウマもあって、祐を私の用心棒にさせて」
(はい、と返信、あるいは言うしかない状況、どうにもならなかった)

停電は、ジュリアのアパートだけではない。
世田谷区、杉並区まで停電、復旧の見込みが立たないらしい。(東電情報)。
雷は、相変わらず、すごい・・・というより、怖い。
まるで、大地をバリバリと裂くような、ミサイルのような音が、何度も鳴り響く。

「私だって、怖いのに」
「祐君、そばにいてよ」
でも、そんなことを言うと、祐君は真面目な性格だ。
ジュリアと大喧嘩しても、帰って来る、そんな不安も強い。

いろんな妄想も浮かぶ。
「純子がそんなことを言ったから、祐君は体調を崩した」
「すごい熱を出して入院」
「雷に撃たれて・・・大学生が一人亡くなった」

それを考えたら、決して「帰って来て」とは言えなかった。
「可愛くて、愛おしくて、けなげな祐君」をこれ以上、困らせたくない。

ドアにノック音がした。
「純子さん・・・」
真由美さんの怯え声だ。

私は、すぐに迎え入れ、抱き締めた。
真由美さんは、泣いていた。
「怖いよ、祐君、帰って来ないし」
「祐君からはメッセ、ジュリアからは、直接音声」

私は、真由美さんが、可愛くなった。
いつもは、ハキハキと元気がいい真由美さんも、こんな顔を見せるのかと。
「とにかく待とうよ」
「雷も怖いから、一緒に寝る?」

真由美さんは、美少女顏で、「うん」。
(こういう妹もいいな、と思った)

その後は、同じベッドで寝るしかなかった。(何しろ停電で、何もできない)
アヤシイことはなかったけれど、真由美さんは、温かかった。
その温かさが気持ちが良くて、スンナリ眠ってしまった。

目が覚めたのは、午前4時半(天井の照明がついたから)
真由美さんは、相変わらず美少女顔でスヤスヤと。
じっと見て、見飽きない・・・
肌もきれい、お鼻がツンと上を向いて、美少女イラストそのものだ。

で・・・見ていたら、私も癒されたのか、また眠気が復活、眠ってしまった。

再び起きた・・・と言うより起こされたのは、午前7時。
トントンと、真由美さんに肩を叩かれた。
「祐君、戻って来たみたい」
「隣で、シャワーの音」

・・・ホロッとした。
「よかった・・・無事かな・・・」

真由美さんは、元気な顔に戻っている。
「怖い思いをさせた罰をあげたいなあ」

「と言うと?」
真由美さんは、プッと笑う。
「シャワー中の祐君を襲う」
「ずーっと文句を言おうよ」
私も笑ってしまった。
「祐君、出て来られなくなるよ」
真由美さんは、含み笑い。
「だから、罰なの」
私は、全面同意した。(祐君、覚悟しなさい!)
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