第384話講演代読当日③ものすごい量の祝電と花束

文字数 888文字

私、朱里は、届けられた祝電と豪華な花束の多さに驚いている。
出版社、多数の古文学会、紫式部顕彰会、大学の佐々木教授、ライブバーのマスター(うれしかった!)Tフィルの指揮者ジャン、ジュリア、中村雅代先生、平井恵子先生・・・
その中に、桜田愛奈もあった・・・発表したら、大騒ぎかも。

花束の整理をしていたら、従妹の恵美ちゃんが、真っ赤な顏、学生服のまま、飛び込んで来た。
「祐ちゃんは?」
「楽屋だよ」と教えると、楽屋にダッシュ。
(その後ろ姿、丸いいお尻が可愛い)(また少し太ったかなあ)(本人には言わない)

恵美ちゃんは、すぐに、弾けるような笑顔で戻って来た。
(ハツラツ女子高生!)(いいなあ・・・胸もきつそう)
「祐ちゃんが、手伝ってもいいって!OKもらった!」
(可愛いなあ・・・妹にしたい)

恵美ちゃんは、気合が入っているのか、鉄砲水のように、言葉が続く。
「祐ちゃんは、本番そのものは、大丈夫なの」
「でも、直後は、かなりやばい」
「舞台袖で、コケる、倒れることもあるの」
「緊張し過ぎて、ステージが終わって、ホッとするのかな」

そんな恵美ちゃん情報で、女子たちは、話し合い。
結論は、すぐに出た。
「講演中は、舞台袖から、祐君を監視する」
「戻って来たら、一斉に取り囲む」
(つまり倒れても、誰かが支える)

また、恵美ちゃんから、うれしいお知らせもあった。
講演の後は、恵美ちゃんのお父さんの割烹で、「ご苦労さん会」を準備してあるとのこと。

そんな話で湧いていたら、また一人入って来た。
祐君のお姉様、瞳さんだ。
(マジに美人、祐君に似ている)(とてもゴリラ女に見えない)

私たちに深々とお礼「祐のために、ありがとうございます」
(すごく清らかな感じのお礼)
春奈さんが、年長なので、「いえいえ、祐君、すごく頑張っています」と返事。(無難な表現、さすが春奈さん)

ただ、楽屋に行こうとするのは、恵美ちゃんが止めた。
「瞳ちゃん、そっとしておいて、祐ちゃん、集中しているから」
瞳さんは、残念そうな顔。
「お尻蹴飛ばそうかと思ったけれど・・・まずいかな」

・・・そういうことをした経験があるのか・・・やはり・・・だから、ゴリラ女と。
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