第162話伊東まで・・・祐君の意外な好み情報

文字数 1,305文字

私、真由美は、祐君の従妹恵美ちゃんからのメールは、うれしかった。

「祐ちゃんの従妹の恵美です!」
「祐ちゃんだと、心もとないので、私も伊東に行きます」(これには、少し笑った)
「では、楽しい伊東にしましょう!」
花の女子高生らしい、「キラキラ」スタンプも大量。
(そういう私も、少し前まで博多の女子高生だったけど・・・)
(やはり東京の女子高生は違うなあ・・・と)

それよりも、従妹の恵美ちゃんに「認められた感」がある。(純子さんは、私より少し前だったけれど、それは引っ越し時期の話、比較の対象にはならんばい!・・・ここで力説!)

恵美ちゃんは、少々丸い体型で、細身の祐君とは好対照。
朝の8時(出発時間)に、二人並んで歩く後ろ姿は、なかなか可愛いし、面白い。
それと、純子さんも笑っていたけれど、恵美ちゃんの「小言」は、最高だ。

「祐ちゃん、スタスタ歩いて!」(祐君、眠そうにトボトボ歩いているし)
「健康管理のケの字もわかっていない!」(確かに、ひ弱感はある)(でも恵美ちゃんは健康優良児そのものだ・・・お尻が丸くて、動きも元気だ)

「そういってもね」(お!祐君の反論が始まった?)
「まだ眠いし・・・」(私でもわかる、この反論は弱いし、禁句だ)

案の定だった。
「お尻蹴飛ばすよ」(そのまま蹴っているし・・・)

そんな話をしながら、何とか渋谷経由で、品川に。
新幹線の切符を買おうとしたら、恵美ちゃん。
「平井哲夫さんから、往復分の切符代をいただいております」
「はい、指定席です」(ほー・・・恐れ多い・・・私と純子さんは、顔を見合わせた)

祐君は、目が開いた。
「親父にしては、気が利く」(でも、そこまでは、ありがた過ぎる・・・と思った)

新幹線車内では、向き合って座る。(祐君の隣は、恵美ちゃん)
ただ、ほぼガールズトークに終始した。(内容は、メイクやスイーツの話ばかりだった)
祐君は、座って3分で睡眠状態。
ふらついたので、恵美ちゃんが、引き寄せた。(・・・それ・・・私もしたい)

熱海で降りて、伊東に。
伊東では、遠縁の叔母さんという、芳江さんが待っていた。(上品な、背の高い美人だ)
「お久しぶり、祐君、またハンサムに・・・モデルさんみたい」
「今日は、美女ばかりを連れて?」
「ジェラシーを感じちゃうな」

祐君は、頬を染めた。
「芳江叔母さんも・・・おきれいで・・・いつもお世話になります」

その祐君の腕を、芳江さんは、グッと組む(ほお!というほど自然だ)
「ねえ、祐君、ピアノ弾いて、ギターと歌も」
「夜は騒ごうよ」

祐君は、「うん」と、笑う。(つまり、祐君のピアノとギター、歌も聴けるってこと?)

恵美ちゃんが、私と純子さんに解説。
「あの二人は、音楽仲間なの、芳江さんは音大出身、何でもできる」
「祐君は手先が器用で、音楽も多趣味、クラシック、ロック、ジャズ、ボサノヴァも上手」
「二人でデュエット始めると、入り込めないかも」

「何か、すごく楽しくなりそうです」(純子さんは、花のような笑顔)
「私も、何か歌いたいなあ」(負けてはいられんばい・・・)

お迎えの車は、ベンツのAMG!
運転は芳江さん・・・しかし、なめらかで上手だ。(うちの父親の荒っぽさとは・・・うん…違う)
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