第205話華やかな哲夫パパ、祐君も笑顔

文字数 1,042文字

「生」で見る(拝見する?)森田哲夫さんは、実に華やか、上品な紺のジャケットスーツ。ネクタイも赤をベースの花柄・・・映画スターかモデルさんみたいや。

私、純子は、飛び込むように握手!(もう、オーラがすごい!さすが大スターや)
「純子です、祐君にはお世話になっとります!」
(あかん・・・関西弁が出てしもうた)

哲夫パパは、さわやかな、やさしい笑顔。(美男や・・・祐君と似とる、でも美少女顔の祐君とは違う、少しキリッとした感じ)
「いや、こちらこそ、奈良では祐が、お父様とお母様にお世話になったそうで、ありがとうございます、これからも祐をよろしく」

明太子女も、割り込むように(いらん!余計なことを!)哲夫パパと握手。
「義夫さんと、母が親しいようで・・・あの・・・」(緊張して、噛んどるし・・・シャンとせんかい!)

哲夫パパは、クスッと笑う。
「ああ、兄さんから聞いています、祐をよろしくね」

ジュリアも待ちきれないかのように、割り込んで来た。
「ジュリアです!大ファンです!パリから来ました。サインください」
(ジュリアなら許す・・・美し過ぎて、文句言えん・・・)

哲夫パパは、サラサラとジュリアの手帳にサイン。
ただ・・・その後は、二人ともフランス語会話。(わからんし・・・)

祐君は、哲夫パパの持って来た紙袋を見て、ニコニコしている。
その祐君に、哲夫パパが反応。
「芳江さんに言って、ハムを燻製にしてもらった、店の人に」

祐君の動きも速い。
サッと大きなハムの包みを取り出して、マスターに渡す。
マスターは、「ありがとう!これ好き!」とグーサイン。
そのまま、切り始めている。

大きな紙袋の中には、まだいろいろある。
哲夫パパ
「瞳からだよ」
「祐の好きな、栗せんべい、これはアパートで」
「母さんからは、源氏と古今と万葉の本、重かった」

祐君は、ニコニコ顔。(やはり、うれしいのかな)

哲夫パパの話は、まだあった。
「7月に銀座で個展やるよ」
「それで、祐に何か、頼むよ」

祐君はキョトン顔。
「受付とか、接客?」

哲夫パパは笑顔。
「一日か、二日、土日、客が混む日、都合のつく日でいいよ」

祐君
「もし都合が悪かったら?」

哲夫パパは意味深な顔。
「瞳がお前の部屋に泊って、その仕事をする・・・いいか?」

祐君の顔色が変わった。
「やります、必ず」(必死顏・・・そこまで瞳お姉さまが苦手なの?)

ただ、哲夫パパと祐君の話は、そこでおしまい。

ジュリアが祐君を手招き。
祐君は、小走りにピアノの前に。
そのまま、ピアノとヴァイオリンのジャズ風シャンソンが始まった。
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