第351話連休二日目の作業 映像詩のイメージが浮かび始める

文字数 1,292文字

連休二日目の原稿作成作業は、古今和歌集の新現代語訳。
写真選びもあるので、森田哲夫神田事務所で行われた。
尚、平井恵子先生も、朝9時から参加している。

祐が古今和歌集の新しい現代語訳を再検討(祐自身が訳したものを、再検討)。
春奈と平井恵子が注釈、真由美と朱里が写真とイラスト選び。(写真は森田哲夫撮影:未発表のもの)(イラストは、真由美作成。既に100枚を越えていた)
純子は誤字脱字の点検(祐も加わった)

午前中の作業は、順調に進み、お昼になった。
平井恵子の発案で、森田哲夫事務所を出て散歩、全員で神保町まで歩く。(約10分)
連休中なので、さすがにサラリーマンも学生も、あまり歩いていない。

平井恵子
「読みたい本もあるけれど、先に昼食にしましょう」
(祐を含めて全員が、古本に注目するけれど、見始めたら、キリがない)

入った店は、靖国通りに沿った歴史の古い洋食店。
カレーや、クリームコロッケ、ハンバーグ、パスタ、ピザ等をそれぞれ注文しながら、楽しく食べる。(映像詩の話題になった)


「昨日の夜、愛奈が突然来て、映像詩を作ることになった」
真由美
「これも、全員で作ろうよ」
平井恵子
「私も楽しみ、何かお手伝いをしたいと」
朱里
「先生のご協力助かります、感謝です」
春奈
「先生は、レヴューが上手なの、必ず売れる」

純子は具体的なことを祐に聞く。
「祐君、何かイメージあるの?」

祐は、少し考えて・・・言いづらそう。
「今ね・・・具体的な風景でなくて、色と音楽だけが浮かんでいる」
「で・・・真由美さん・・赤ワインのような、しかも透明感があって」
「高貴な雰囲気、でも、憂いがあって・・・変な言い方」
「田舎の風景でなくて・・・」

真由美が頷く。
「うん・・・好きな色・・・ワインレッド・・・紫で透明感」
「高貴で憂いがあって、土臭さはないか・・・」
(祐と真由美以外が全員、何を言っていいのかわからない状態)

祐は続けた。
「音楽はモーツァルトの40番交響曲・・・これでイメージわかる?」
「その色と音楽の中に、映像詩を埋め込む」

まず平井恵子が反応した。
「あ・・・わかる・・・」
「確かに、その色、合う・・・土臭さはない」
「映像詩・・・うーん・・・何が入るのかな」

朱里の目が輝いた。
「風景・・・ヨーロッパ?」
「日本だと・・・難しい?」

春奈は考え込む。
「うーん・・・日本の京都の紅葉・・・」
「真っ赤な紅葉でなくて・・・雨に濡れて色が濃くなったとか」
「白砂に散り紅葉?」

真由美は、春奈の顏を見た。
「いいかも・・・」
「でも、愛奈ちゃんとか朱里ちゃんの美少女も使いたいなあと」
「少し憂いの顏で、夕焼けの新宿を歩く」


「一楽章にはいいかな」
「でも、他の楽章もある」
そこまで言って、苦笑い。
「まだ、ポッと浮かんだだけ」

平井恵子が話をまとめた。
「全面的に協力します、面白いよ、この企画」
「ジャズもいい、ポップスでも、ボサノヴァ、シャンソン、カンツォーネでも」
「午後に時間ができたら、音楽聞いて、イメージ訓練かな」
「これも、感性を磨く、素晴らしい手段と思うの」

祐は、話がまとまって、安心したようだ。
ようやく食欲も復活、クリームコロッケ定食を、完食となった。
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