第188話祐、純子、朱里の会話(2)

文字数 1,016文字

さて、私、田中朱里は、祐君と逢ってから3年間言いたいことがあった。

「私と、お付き合いしてください!」(できれば、恋人として)
「大好きなんです、お見かけした時から」
(一目惚れは、認めます)(嘘は言えない)

・・・でも・・・突然すぎるかなと思う。

祐君は、3年間、私のことは、全く考えていなかったようだ。
(再会した日の雰囲気でわかった)(2回もデートをキャンセルされたし、香水が強すぎるとかも言われた)

それに、祐君の隣に座る純子さんは、「強敵!お似合い!」そのものだ。
その豊満な笑顔と胸。(私より、少し大きいかも・・・って・・・胸勝負しても仕方ないし)
とにかく、祐君と呼吸レベルでピッタリ、お似合いな雰囲気なのだ。

・・・でも、私は負けたくない!
「はい、そうですか」と納得はしたくない。
祐君は、「私の魅力にも気持ちにも、気づいていない」、そう思うと、チャレンジもしないで引き下がるわけにはいかない。

それでも、気合を入れて、口に出してみた。(また、顔は赤いし、胸もプルンだ)
「お仲間に加えていただけます?」(まずは。お友だちの一人だ)(あとは、じっくりと攻略を楽しむことにして・・・だ)

祐君と純子さんが顔を見合わせた。(え?マジ?何か問題ある?)

祐君から、想定外の返事。
「佐々木先生の万葉集の件は・・・足りているから」
純子さんも、「うーん・・・」と思案して
「アパートの中に、もう一人お手伝いしたい人がいて」
「それから、また違う先生のお弟子さんも、やってみたいとか」

つまり二人は「お仲間とは」、佐々木先生の「社会人講座のバイト」と理解したようだ。(うん、その話もしたかったけれど・・・どうもチグハグだなあ)

話がそこまで進んだ時、それぞれの食事と飲み物が運ばれて来た。
私は、目が点、おなかも鳴った。
「オムライスの香りが!量もたっぷり!珈琲もすごく、いい香り」(とてもダイエットとか、糖質オフとか、別次元の見た目だ。

純子さんもニコニコ。
「このカレー・・・シャキッとするような、魅惑の香り・・・」

ただ、祐君は、「マジ?」と首を横に振る。
「食べきれない・・・手伝って」

純子さんは、その祐君に、プチお叱り。
「だめ!食べるの!そんなことだから、すぐに風邪ひくの」
そんな祐君を見ながら、マスターは誰かと電話して、祐君の前に来た。
「あと5分ぐらいで、祐君に会いたいって人が来るよ」

祐君はキョトン。
純子さんと私は、よくわからない。
ただ、食べるだけの女と化している。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み