第223話祐の居眠り 純子の甘苦しい妄想 寝ぼけの祐

文字数 1,312文字

私、純子から見て、祐君は大変な重荷を背負った人。
あちこちから期待され、懸命にこなしている姿は、いじらしいほど。
しかし、秋山先生からの「OK電話」は、かなりな重荷を減らしたようだ。
久々に、祐君の自然な笑顔が戻っているのだから。(やさしく可愛くて・・・ほんま、抱いて眠りたい)

私と祐君、朱里(こいつは邪魔やけど、まあ、騒がれても面倒や、同行を許した)は、佐々木教授の研究室を出て、3時からの経済思想史の大教室に入った。

「気にしている?」(もちろん、おバカなオーケストラ部のこと)を聞いたら、「大丈夫、姉貴のほうが怖い」と笑った。(最強姉に鍛えられたのかな、修羅場に強そうだ)

祐君
「出来ないことは出来ないし」
「出来ても、行かないかな、あまり興味ない」(これもオーケストラ部のこと)

朱里も祐君を援護するらしい。
「次に来たら、私も怒ります、半端ではありません」(美少女の怒り顔?見たいと思うし、お人形はお人形のままでも・・・と思う)

「経済思想史」は、祐君はあまり面白くないらしい。(途中でスヤスヤしとるし・・・)
私と朱里は、祐君を真ん中に、ピタッとして支えた。(それで温める、少しでも休息を与えたい)(時々見る横顔は、実に美男、お肌も負けそうなくらいに美しい)

朱里も、祐君を見ては赤い顔。(あかん・・・うちの祐君や・・・と思うけど・・・・今は、どうにもならん)

経済思想史があまりにも面白くないので、私は祐君の手を握ることにした。(理由になっていない?私的には、暇つぶし)
すべすべの可愛い手や・・・でも、冷たいから、温める。
誰かに見られたら?そんなのは気にならん。
「私は、祐君が好きやから、握った」と、はっきり言える。(本心やもの、恥ずかしくもなんともない)
ただ・・・恥ずかしいのは、私の身体の中の変化。
ずっと、祐君にピタっとして、祐君の手をもてあそんでいたら・・・うん・・・トロトロして来た。
かといって、離したくないし、離せんし・・・
耳まで赤いのが、自分でも、ようわかる。

「今夜は、祐君を抱いて眠りたい」
「お願いしてみるかな」
「祐君なら、後悔はない」

そんなことを思うと、ますますトロトロや。
「あかん」と思うと、ますます、それが刺激。

そんな、甘苦しい思いの中、経済思想史は終わった。
祐君も目覚めた。
田中朱里も寝ていたらしい、寝ぼけ顔。

祐君は、あくび。(ぷっ!笑える)
で、信じられんことを言う。
「おなか減った」

だから聞いてみた。
「何か、食べたいものは?」

祐君は寝ぼけ顔。
「プリンアラモード」
で・・・そこで目覚めたようだ。
「あ・・・ごめんなさい、夢で見ていたので」(は?誰と食べたの?)
「今のは、忘れて・・・姉貴に食べられた夢で・・・」(最強姉が、また登場)

田中朱里はニンマリ。
「食べに行きましょうよ、そんなこと聞いたら」
うちも負けない。(ダイエット?うちは豊満勝負にする)
「食べたい時が美味しい時」(祐君は、何時でも食べたい・・・って恥ずかしい、これは)

祐君は、顔を赤らめた。
「でも、パンケーキも食べたくなって来た、メープルかけて食べたい」
これには、私も田中朱里も、大笑い。
(でも、嫌なことがあったから、耐えたご褒美もいいかなあと思った)
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