第99話姉瞳との電話を終え、祐は疲れている。

文字数 876文字

私、純子は、祐君が心配になった。
とにかく、「電話で、大声で叱られている」ことは、わかる。
祐君の顔は、途中から「真っ赤になったり」「真っ青になったり」「嫌そうに」なったりしている。
でも、相手の大声が続き、祐君は「全く反論ができない」状態が「かなり」続いた。

さて、それでも、祐君が、「何か」を言って、ようやく電話が終わった。
祐君は、疲れ果てた顔。
私と真由美さんにペコリと頭を下げる。(大丈夫?って声をかけたいけれど、少し待つ)

祐君
「姉貴だった」

真由美さん
「え?祐君、お姉さんがいるの?」

「お姉さんに・・・何か言われたの?」(疲れ果てた顔が、心配だった)

祐君は、ため息。
「いいよ、気にしないで」
「いつものこと」

そして、トボトボとアパートへの道を歩き出す。

真由美さんも、心配な様子。
「ねえ、祐君、何かトラブルでも?」(私も、それは気になった)

祐君は、ようやく、少し笑う。(私は、ホッとした)
「トラブルって・・・姉貴がいつもトラブルメーカー」
「大声で、命令ばかり、文句ばかり」
「僕の都合なんて、何も考えない」


「それだけ、祐君のことが、好きなの、お姉さんは」
「だから、心配して、世話を焼きたくて仕方がないの」

真由美さんも、うんうん、と頷いている。
「一度、逢ってみたいな」
「いつかでいいけれど」


「祐君に似ていると、美人かな」

祐君は、思いっきり、首を横に振る。
「いや・・・危険だよ、姉貴に逢うのは」
「完全体育会系で、元気だけが取り柄」
「他に何もない」

私と真由美さんは、顔を見合わせた。
真由美さん
「そんなに苦手なの?」

「可愛い弟を、思えばのこそでは?」

祐君は、返事をしなかった。
「大先生が来るから・・・お茶菓子買わないと」
と、そのまま目に入った和菓子店に入って行く。

ここでも、私と真由美さんは、顔を合わせた。
真由美さん
「そう言えば、純子さんのご実家の御菓子、美味しくて」

「うん、残っていないよね」(真由美さんと私が、ほとんど食べたけれど)
真由美さん
「東京の和菓子って、どんなかな」

「入ろう、ここにいても仕方がない」

祐君は、疲れが残る顔で、お菓子を選んでいる。
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