第214話 アナザー 二人の高森 その22
文字数 820文字
「竜穴ってなんですか?僕も知りたいです」
裕也のセリフを聞いて正人は少し考えこんだ。
「君が聞くなら端折 るわけにはいかないな」
生真面目な正人はそう言うとホワイトボードをもってきて、文字を書きながら中国思想の風水の講義をはじめた。
彼は裕也の弟子入りを認めないと口ではいいながら、実質、裕也を弟子のように扱っているのは本人も気が付いていない。
「中国では、ヒマラヤ山脈に隣接するコンロン山脈が大地のエネルギーの源とされてる。
日本ではどこだと思う?」
「えっ、……日本アルプスとか…ですか?」
「中国の事を考えると山脈と思われがちだが、日本の場合、富士山だと考えられている」
「そっかぁ。霊峰富士っていいますもんね」
「そこから龍脈を通じ、国内にエネルギーが送られているわけだ。
竜穴はその大地のエネルギーの吹出し口だな」
「豊臣政権が短命に終わったのは大阪に風水を導入していないからだと言われているんだ」
「じゃあ、長期政権だった江戸時代は町づくりに風水を導入してたって事ですか?」
「うん。そのとおり、江戸にかかわらず、奈良、京都、鎌倉の街は風水に基づいて造営されたんだ。天皇がお住いになっている皇居は日本最強の龍穴だといわれているよ」
「竜穴の上に人が住むことができるんですね」
「竜穴の上に住む一族は繁栄すると言われているからね」
「何故、皇居が最強の竜穴と言われてるかわかるかい?」
「……わかりません」
「皇居は江戸城が立っていた場所に建てられたんだ」
「あっ、そっかぁ。風水って面白いですね」
次に正人は中国神話に登場する四神。
天(宇宙)の東西南北の四方位を司る伝説の守り神(聖獣)について講義をはじめた。
まじめに聞いていた義之は長引く講義に肝心の事が聞けずじまいでイライラしていた。
「一ノ谷君、私は端折ってとお願いしたのですが」
義之はついに正人に抗議の弁を発した。
裕也のセリフを聞いて正人は少し考えこんだ。
「君が聞くなら
生真面目な正人はそう言うとホワイトボードをもってきて、文字を書きながら中国思想の風水の講義をはじめた。
彼は裕也の弟子入りを認めないと口ではいいながら、実質、裕也を弟子のように扱っているのは本人も気が付いていない。
「中国では、ヒマラヤ山脈に隣接するコンロン山脈が大地のエネルギーの源とされてる。
日本ではどこだと思う?」
「えっ、……日本アルプスとか…ですか?」
「中国の事を考えると山脈と思われがちだが、日本の場合、富士山だと考えられている」
「そっかぁ。霊峰富士っていいますもんね」
「そこから龍脈を通じ、国内にエネルギーが送られているわけだ。
竜穴はその大地のエネルギーの吹出し口だな」
「豊臣政権が短命に終わったのは大阪に風水を導入していないからだと言われているんだ」
「じゃあ、長期政権だった江戸時代は町づくりに風水を導入してたって事ですか?」
「うん。そのとおり、江戸にかかわらず、奈良、京都、鎌倉の街は風水に基づいて造営されたんだ。天皇がお住いになっている皇居は日本最強の龍穴だといわれているよ」
「竜穴の上に人が住むことができるんですね」
「竜穴の上に住む一族は繁栄すると言われているからね」
「何故、皇居が最強の竜穴と言われてるかわかるかい?」
「……わかりません」
「皇居は江戸城が立っていた場所に建てられたんだ」
「あっ、そっかぁ。風水って面白いですね」
次に正人は中国神話に登場する四神。
天(宇宙)の東西南北の四方位を司る伝説の守り神(聖獣)について講義をはじめた。
まじめに聞いていた義之は長引く講義に肝心の事が聞けずじまいでイライラしていた。
「一ノ谷君、私は端折ってとお願いしたのですが」
義之はついに正人に抗議の弁を発した。