第175話 桜花恋歌 その33
文字数 576文字
いいですか?たかもりくん。
エレベータが一階につくまでの間、俺は菊留先生の言った言葉を思い出していた。
『いいですか?高森君。500年の時を生きてきた木霊は、もう神のような存在です。
交渉するときは、ただ、願いなさい。身代わりを差し出してはいけない。
木霊は容赦がありません。木霊は角田君のかわりに君を連れていく事を躊躇 しないでしょう』
角田先輩の眠る病室の前で、先生は俺に注意事項だけを述べた。
そして木霊の心の中に入って、後はただひたすら角田護せんぱいの気配を探れと言われた。
『そんな事が、俺にできるんでしょうか』
『できますよ。というか。おそらく高森君にしかできません。
あとはひたすら角田君を返してくれるように桜の樹に願いなさい。』
『うまくいくんでしょうか』
『大丈夫。きっとうまくいきます』
先生はきっぱりと断言した。
俺にしかできない。
なら、先生の言葉を信じて動くしかない。
俺は両手を握りしめた。
チン。一階についた。エレベーターを降りエントランスホールを通り抜けて、俺は駐車場で待っていた佐藤先輩と合流する。
「高森、今回先生は参加しない。すべて俺がサポートするから」
いきなりそう言われて戸惑った。
「えっ、佐藤先輩が?先生は?」
あからさまな動揺が顔にでた。
にわかに不安が襲ってきた。
エレベータが一階につくまでの間、俺は菊留先生の言った言葉を思い出していた。
『いいですか?高森君。500年の時を生きてきた木霊は、もう神のような存在です。
交渉するときは、ただ、願いなさい。身代わりを差し出してはいけない。
木霊は容赦がありません。木霊は角田君のかわりに君を連れていく事を
角田先輩の眠る病室の前で、先生は俺に注意事項だけを述べた。
そして木霊の心の中に入って、後はただひたすら角田護せんぱいの気配を探れと言われた。
『そんな事が、俺にできるんでしょうか』
『できますよ。というか。おそらく高森君にしかできません。
あとはひたすら角田君を返してくれるように桜の樹に願いなさい。』
『うまくいくんでしょうか』
『大丈夫。きっとうまくいきます』
先生はきっぱりと断言した。
俺にしかできない。
なら、先生の言葉を信じて動くしかない。
俺は両手を握りしめた。
チン。一階についた。エレベーターを降りエントランスホールを通り抜けて、俺は駐車場で待っていた佐藤先輩と合流する。
「高森、今回先生は参加しない。すべて俺がサポートするから」
いきなりそう言われて戸惑った。
「えっ、佐藤先輩が?先生は?」
あからさまな動揺が顔にでた。
にわかに不安が襲ってきた。