第402話 アナザー 先生の異変 その1

文字数 560文字

 平行時空に飛ばされて九日間。
 高森要(おれ)はどうやって能力を使えばいいのか完璧に理解した。
 力のため方も使い方もすべてわかる。

 瞬間移動を繰り返しながら手元に岩を引き寄せあらゆる角度から菊留先生にぶつけた。
 先生は右手を振って、念で飛んでくるすべての岩を弾き飛ばしていた。

 俺は大きな岩の上に駆け上がった。伸ばした両手の間に気を蓄える。
 いとも簡単にバチバチと気の塊が形成された。
 それを持ったまま岩から飛び降り先生に至近距離で思いっきりぶつけた。

 先生はとっさにバリアーをはり気の塊を消滅させた。
 お返しとばかり、俺に向かって衝撃波を放ってきた。
 俺もバリアーを張り消滅させた。
 二人瞬時に飛びのいて距離を取る。

 もう、楽しくて楽しくて仕方がない。
 現実の空間と違って体が軽いからバック転も宙返りも思いのままだ。
 ジャンプだって通常よりはるかに高く飛ぶ事ができる。

 砂利を炎上させて先生の周りを火の海にした。
 先生はジャンプして火から逃れ俺の側に瞬間移動した。
 そのまま俺の両手を掴み引き倒して寝技に持ち込んだ。


 先生は俺の上に馬乗りになって両手で俺の首を押さえつけていた。

 寒気が走った。
 これは相手の息の根を完全に止めるやり方だ。
 身の危険を感じて俺は先生の両手を掴んで首から引きはがそうとした。
 だがびくともしない。
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