第13話

文字数 820文字

「では、さっそく詳細を」
「先生、ちょっとまって、その前に自己紹介が先じゃないんですか?彼、何にも知らなさそう」

加奈子は俺の方を見ながらいう。

「ああっ、そうだね、取り合えず注文してから自己紹介といこうか。
 食事したい人はしていいからね」

ウエイトレスを呼んで思い思いのメニューを注文し席を立った。
全員ドリンクバー付きのランチを注文したからだ。
超人クラブの会合にこういう集会は珍しくないらしい。
ドリンクを取ってきてランチが出来るのを待つ間、全員で自己紹介することになった。

「では、私から、開成南一年担当 国語教師 菊留です。古典も得意だからテストの時は頼っていいですよ。はい隣」

先生の隣に座っているのは髪をポニーテールにした白いワンピースの彼女。

「開成南3年 大山智花です。寺の長女よ、特技は幽体離脱ね」

ゆうたいりだつ?……なんかすごいけどそれ特技っていう?

「同じく三年、佐藤仁、、能力は静止した物体を動かす力、いわゆる念力だね。
テレキネシスとも言われてるけど」

持っている携帯辞書をぱたりと閉じて中指で眼鏡を直すと、インテリ君はそう言ってドリンクを口にした。インテリ君の向かいは角田先輩だった。

「僕は2年角田護、さっき能力見せたからもういいよね」

うなずく俺 雀との会話の事だと理解した。

「次私ね、さっきも言ったけど開成東一年、泉加奈子 能力は残留思念を拾う事です」

拾う?……それでさっき先生が言ってたあの言葉か。

「あっ、俺、開成南1年 高森要です。能力はあの……なんていったらいいのか」
「彼の能力はパラレルワールド、つまり平行世界に飛ぶこと……かな」

菊留先生が絶妙にフォローしてくれた。

「何それ、初めて聞くわ、すごい能力ね」

いえいえ、皆も相当なもんだと思うけど……あれ、先生の能力は?
先生は顧問だからいいのか。
以上6名、それが超人クラブのフルメンバーだった。
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