第206話 アナザー 二人の高森 その14
文字数 737文字
朝、8時に家を出て汽車に乗り一駅先にある空き地に移動。そこで待っていた佐藤先輩に格闘技を教わった。一時間くらい組み手して先輩と別れ、古本屋で立ち読みしてからスーパーに行って買い物をした。
「古本屋で本を購入したんですか?」
「いいえ、立ち読みだけでした」
「……ではその時点ではどっちの世界かわからないという事ですよね」
「……はい」
「それからスーパーで買い物」
「……そうです」
違和感はなかった。
時空を超えたという感覚はなかった。
だが、スーパーにいた時にはこっちの世界にチェンジしていた事になる。
地図を見て先生は考え込んでいる
「ふーん」
「……ちょっと待って。先生、ここ」
智花先輩が言った。
「うん。ここ、前は祠があったよね」
組み手をした空き地の場所をゆび指して泉が言った。
「……変だな。高森、ここ、本当に空き地だったのか? 俺の記憶じゃ、この辺に森があったはずだが」
この周辺に佐藤先輩は詳しい。だって住んでいる地区だから。
「……そうですね。この地区は再開発で色んなものが移動してます」
先生は俺に言った。
「ここに祠はありましたか?」
「……ほこら?そんなものは在りませんでしたけど」
「そうですか……。」
道路整備や土地開発でじゃまになった塚や祠がその場所から移動させられる事はままある事だ。
だが、鎮魂や封印の為に立てられたものも多い。禁忌をおかし無理やり墓を暴いたため、祟りにあい、多くの作業員が命を落とし工事が中断されることもある。
空き地はかなり広かった。
それこそ、庭付きの一戸建ての豪邸が6~7軒くらいは立ちそうな広さがあった。
何かを撤去した後、新しい土がもられ、若干の草が生えるのみ。
移動させたにも関わらずビルが建たなかった場所。
時空を超えることのできる何かがそこにあったのだろうか。
「古本屋で本を購入したんですか?」
「いいえ、立ち読みだけでした」
「……ではその時点ではどっちの世界かわからないという事ですよね」
「……はい」
「それからスーパーで買い物」
「……そうです」
違和感はなかった。
時空を超えたという感覚はなかった。
だが、スーパーにいた時にはこっちの世界にチェンジしていた事になる。
地図を見て先生は考え込んでいる
「ふーん」
「……ちょっと待って。先生、ここ」
智花先輩が言った。
「うん。ここ、前は祠があったよね」
組み手をした空き地の場所をゆび指して泉が言った。
「……変だな。高森、ここ、本当に空き地だったのか? 俺の記憶じゃ、この辺に森があったはずだが」
この周辺に佐藤先輩は詳しい。だって住んでいる地区だから。
「……そうですね。この地区は再開発で色んなものが移動してます」
先生は俺に言った。
「ここに祠はありましたか?」
「……ほこら?そんなものは在りませんでしたけど」
「そうですか……。」
道路整備や土地開発でじゃまになった塚や祠がその場所から移動させられる事はままある事だ。
だが、鎮魂や封印の為に立てられたものも多い。禁忌をおかし無理やり墓を暴いたため、祟りにあい、多くの作業員が命を落とし工事が中断されることもある。
空き地はかなり広かった。
それこそ、庭付きの一戸建ての豪邸が6~7軒くらいは立ちそうな広さがあった。
何かを撤去した後、新しい土がもられ、若干の草が生えるのみ。
移動させたにも関わらずビルが建たなかった場所。
時空を超えることのできる何かがそこにあったのだろうか。