第207話 アナザー 二人の高森 その15
文字数 613文字
「先生、ここが怪しいんじゃないかな。現場、行ってみますか」
「そうですね。行けば何かわかるかも知れないし」
「えーっ、今から行くんですか。
日が高くなってきたからきっと外暑いですよね。なんか行きたくなーい」
ごねる泉。最近の夏は異常だ。既に外気温は35度を超えている。
こちらの泉は向こうの泉とは違って、肩くらいのセミロングじゃなく肩甲骨の下くらいまで髪がある。夏はさぞかし暑いだろうなと勝手に想像した。
智花先輩は同じことを思ったらしく
「加奈ちゃん。髪括ったら?うなじ出すと涼しいよ」と忠告していた。
言われた泉は自分のカバンから黄緑のリボンを取り出してツインでくくった。
制服と相まって結構似合っている。
泉って可愛かったんだな。
改めてそう思った。
「いいね。似合ってる」
「ありがとう、高森君」
泉はにこっと笑うと周りを見渡して言った。
「こらっ、男ども、せっかく人がイメチェンしたんだから何か言うことないの?」
「イメチェンって泉、通常運転じゃん」
珍しくなさそうに佐藤先輩は気の抜けた返事を返した。
「泉、高森に媚をうるな」
「何それ、売ってませんけど。何でそんな言い方すんのかな~」
泉は白けたというふうに角田先輩をチラ見した。
先輩はふてくされたように横を向く。
なんだかなぁ。
こっちの角田先輩の方が精神的に幼いんじゃないんだろうか。
泉の言葉に苦笑しつつも、何気にそんな風に思った。
「そうですね。行けば何かわかるかも知れないし」
「えーっ、今から行くんですか。
日が高くなってきたからきっと外暑いですよね。なんか行きたくなーい」
ごねる泉。最近の夏は異常だ。既に外気温は35度を超えている。
こちらの泉は向こうの泉とは違って、肩くらいのセミロングじゃなく肩甲骨の下くらいまで髪がある。夏はさぞかし暑いだろうなと勝手に想像した。
智花先輩は同じことを思ったらしく
「加奈ちゃん。髪括ったら?うなじ出すと涼しいよ」と忠告していた。
言われた泉は自分のカバンから黄緑のリボンを取り出してツインでくくった。
制服と相まって結構似合っている。
泉って可愛かったんだな。
改めてそう思った。
「いいね。似合ってる」
「ありがとう、高森君」
泉はにこっと笑うと周りを見渡して言った。
「こらっ、男ども、せっかく人がイメチェンしたんだから何か言うことないの?」
「イメチェンって泉、通常運転じゃん」
珍しくなさそうに佐藤先輩は気の抜けた返事を返した。
「泉、高森に媚をうるな」
「何それ、売ってませんけど。何でそんな言い方すんのかな~」
泉は白けたというふうに角田先輩をチラ見した。
先輩はふてくされたように横を向く。
なんだかなぁ。
こっちの角田先輩の方が精神的に幼いんじゃないんだろうか。
泉の言葉に苦笑しつつも、何気にそんな風に思った。