第188話 桜花恋歌 その46

文字数 689文字

「……はいっ‥‥?」
俺なんかヤバい事言ったっけ?

「俺がそばにいて一生支えるから」
佐藤先輩はぷっと噴出した。
俺は角田先輩の言葉に赤面し、口の端がぴくぴくとひきつった。

「この世はつらい事ばかりじゃないってわかるまで一緒にいるから」
言った。そう言えばそんな事を言ったような……。

「あははははっ。確かに云った。な、高森」
今思えばなんつー恥ずかしいセリフだ。
眼を見開いて口元を押えた。

「角田先輩、あっ、あれはその、こここ言葉のあやで」

「約束は果たせよ。高森。男に二言はないんだろ」
「佐藤先輩。なんでそのセリフまで知ってるんですか」
「それは、うん、まぁ、なんだ」
「盗み聞きですか」
「何言ってる。不可抗力だろ」

あの時の佐藤先輩の役割は、俺をあの空間に送り出す事と無事に引き戻す事。
透視能力で一部始終を視ていたのは間違いない。

「確かに言いました。でも、側近なんて、そんな」
「はい、高森、これ」

角田先輩は自分のスクールバッグからファイルを取り出し俺に差し出した。
中身を読む……。

俺の人生設計がかいてある。俺はぶっ飛んだ。
「ちょっとぉー、なんですか。これ」

開成南卒業時 主席。
大學は公立で経済学部を卒業。

無理、絶対無理!

同時取得資格
1・秘書検定 2級
2・ビジネス実務マナー検定

秘書検定?俺が秘書……えっ?、えっー。

3・柔道有段者 2段以上

なんで、じゅーどー?
俺、格闘技とか苦手なんですけど……。

4・自動車二種免許

二種?
二種ってタクシーの免許だよな?
何でそんなもん取らないといけないんだよ。
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