第373話 アナザー 邂逅 その21

文字数 407文字

 向こうの菊留先生は超能力は必要な時以外使わない主義だった。
 むしろ、抑える方向で指導してた。
 使うと体力が削られるし、何より暴走したときが怖いと先生は言っていた。
 それは前世の体験からくる教訓だと。

 同じ先生なのに考え方が全く違う事に驚いた。
 こちらの菊留先生はいったいどんな考えの持ち主なんだろう。

「くれぐれも相手を殺さないように。術を解除させないと俺達、向こうに帰れないからな」
「何、簡単に殺すとか言ってるんですか」
「冗談だって。本気で言ってないよ」

 佐藤先輩のノリがやばい。そして、こわい。
 先輩ってこんなに軽い奴だったのか? それともアナザー世界の先輩だからなのか?

 当分の間、この世界のメンバーと元のメンバーのギャップに苦しむことになるだろう。
 やっぱり、元の世界に帰りたい。俺はつくづくそう思った。

「さぁ、行こうか」

 佐藤先輩がそう言った時。
 ドンという音とともに先輩の後ろでド派手な火柱があがった。
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