第371話 アナザー 邂逅 その19
文字数 679文字
岩場を走ってるのに、超人クラブの面々は足に衝撃を感じない事を不思議に思っていた。
フットワークが軽い。歩を進めるごとにいちいち体が浮き上がるような浮遊感がある。
大山智花は一旦しゃがんで弾みをつけると、わずかな足がかりをたよりに、目の前の大岩を一気に駆け上がった。
「やっぱり」
「うん。体が軽いな。智花、そっから飛び降りて見ろ」
「え、ちょっと、高いよ。段差が三メートルはあるみたいなんだけど」
岩の上から残りの四人を見下ろして智花は言った。
「大丈夫。いざとなったら超能力で俺が受け止めてやる」
「ほんとに?佐藤君」
懐疑的な顏をして智花は言った。
「ほんとほんと、安心してこの胸に飛び込んできなさい」
仁は自信満々でどんと胸をたたいた。その後でせき込んだのは言うまでもない。
智花はその様子を苦笑いしながら見ていたが。
実際は笑ってる場合じゃなかった。着地に失敗すれば骨折は免れないだろう。
「いろんな意味で怖いんだけど、じゃ、信用して飛ぶわよ。せーの」
言いながら、大岩から飛び降りた。
ドスンではなく、軽い感じで地面に降り立ったあと、反動で一メートルほど飛び上がった。
「きゃっ……。すごい、軽い」
「やっぱりそうか。重力が月ほどしかないんじゃないかな。不思議な空間だな」
「じゃ、こんな石も」
「うん。当然、楽に持ち上げられる」
言いながら、仁は目の前にあった大きな石を片手で軽々と持ち上げて見せた。
「はい。レクチャー終わり。ここは通常空間じゃないって事。理解できたか?」
「理解はできました。でも、なぜ」
仁はこんな事を言ってきたのだろう?
高森 要 は首をかしげた。
フットワークが軽い。歩を進めるごとにいちいち体が浮き上がるような浮遊感がある。
大山智花は一旦しゃがんで弾みをつけると、わずかな足がかりをたよりに、目の前の大岩を一気に駆け上がった。
「やっぱり」
「うん。体が軽いな。智花、そっから飛び降りて見ろ」
「え、ちょっと、高いよ。段差が三メートルはあるみたいなんだけど」
岩の上から残りの四人を見下ろして智花は言った。
「大丈夫。いざとなったら超能力で俺が受け止めてやる」
「ほんとに?佐藤君」
懐疑的な顏をして智花は言った。
「ほんとほんと、安心してこの胸に飛び込んできなさい」
仁は自信満々でどんと胸をたたいた。その後でせき込んだのは言うまでもない。
智花はその様子を苦笑いしながら見ていたが。
実際は笑ってる場合じゃなかった。着地に失敗すれば骨折は免れないだろう。
「いろんな意味で怖いんだけど、じゃ、信用して飛ぶわよ。せーの」
言いながら、大岩から飛び降りた。
ドスンではなく、軽い感じで地面に降り立ったあと、反動で一メートルほど飛び上がった。
「きゃっ……。すごい、軽い」
「やっぱりそうか。重力が月ほどしかないんじゃないかな。不思議な空間だな」
「じゃ、こんな石も」
「うん。当然、楽に持ち上げられる」
言いながら、仁は目の前にあった大きな石を片手で軽々と持ち上げて見せた。
「はい。レクチャー終わり。ここは通常空間じゃないって事。理解できたか?」
「理解はできました。でも、なぜ」
仁はこんな事を言ってきたのだろう?