夏の思ひ出

文字数 870文字

運転免許証の更新日が近づいているのだが、全然ハガキが来ないことに気づいたのは、先日のことだ。
8月18日に二十歳になるんですけど......。
そんなわけで今日お昼休みに最寄りの警察署に電話した。
そうすると、電話では対応出来かねるから、警察署に来てください。という。
それも16時半までに。
17時までじゃないのか?と聞くと、16時半に来ないと、色々説明しないといけないから間に合わないと言うので、しゃーなしに早退して警察へ行くことにした。
帰る前にトイレ行っとこと、一階のトイレに立ち寄ったのが、今日のハイライトだ。
前置きが長い。
すっきりしてトイレットペーパーを引っ張った途端、ガラガラというロールが回る音と共に、聞いたことのない変な音が聞こえたかと思ったら、ポトっと床にアレが落ちた。
体長5センチのゴキブリだ。
はひゃああ!!!!
と、悲鳴を上げながらパンツを上げるまもなくワタシは立ち上がった。
あっちも驚いたのか右往左往していたが、ワタシは気が気じゃない。
ただ、さすがにパンツを上げずにトイレを出るわけにも行かないので、なんとかパンツとズボンを上げて外に出た。
ちゃんと拭いたので、ご心配なさらず......。
ともかく、放置しておくと他の人に被害が及ぶ。
しかし、自分でコロすのも嫌だし、とぐずぐずやってたら、20分のタイムロス。
早退の意味......。
今もまだ、足元を走り回るあの姿を忘れられない。
忘れたくても忘れられない、夏の思い出ができた。
ワタシはゴキブリが大嫌いだし見たくもないのだが、ヤツからは目が離せなくなる。
こっちに来られたら、すぐ逃げないといけないし、どこに行ったかわからん様になるのは絶対嫌だからだ。
ああ、そうか。
嫌いな人の事が気になるのって、これと同じなんだ。ということに気がついた。
動き出したら「こっち来んな」って思うもんねぇ......。
ゴキブリはワタシが中性洗剤をぶっかけて殺害した後、心配して来てくれたNさんが取ってトイレに流してくれた。
嫌いな上司もトイレに流れてくれんだろうか、と思ったとか思わんかったとか。
いや、思った。
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