大人になるということ

文字数 507文字

子供の頃はホラー映画やスプラッタ映画に登場するモンスターや殺人鬼をめちゃくちゃ怖がっていた。
そういう映画を見た日は、大抵、夜布団の中で、見なきゃ良かった!と後悔する羽目になった。
信じられないことに、あのチャッキーすら、初めて観た時は恐怖に慄いた。
ところが、大人になってから改めて観てみると、全然、全く、一ミリも怖くないのだ。
怖いどころか、笑いながら観てたりする。
大人になったワタシにとって、ホラー映画やスプラッタ映画は、もはやただの面白映画になってしまった。
それが偽物だということに気付いてしまったからだ。
知ってることが増えるというのは、悪いことじゃないけど、知らない時の方がきっと純粋に楽しめていたはずで、ワタシはそれがちょっと寂しい。
うちの姪っ子に、以前、世界で一番大きな蛾はモスラだと教えた。
姪っ子はしばらく、自分のスイッチで一生懸命、モスラを検索していた。
それから「モスラの動画は偽物しかないねん」と言っていた。
彼女は今もまだ、モスラが実在すると思っている。
妹からはこういう時「またしょーもない嘘を教えて」と怒られるのだが、モスラが実在する世界の方が遥かに面白いから、姪っ子にはずっと信じ続けていて欲しい。
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