置き去りにしないで欲しいけど、置き去りにして欲しい。

文字数 721文字

ワタシという人間は最終回とか最終話とか、とにかく終わるということが、ものすごく苦手だ。
特に気に入っているものは、なぜ終わるんだよ。。。と思って泣く。
素晴らしい物語に心を動かされて泣くというよりは、その物語が終わってしまうことが嫌で泣くのだ。
いや、もちろん、心を動かされて泣くこともあるけども。
「置き去りにされたくない」という気持ちが強すぎるのだ。
キモい。
創作物に置き去りにされるっていうのはどういうことか?
っていう感じだが。
読んでる時はワタシはだいたいその世界の住人になんじゃねぇかってくらいに入り込んでいる。登場人物は皆、一緒に泣いて笑って怒り狂って、寝食を共にしてきた家族の様な存在となる。
怖い。
ところが終わりがやってくると、急にワタシは現実に放り出される。
さっきまで、そこに居た家族が急に遠くに行ってしまうのだ、そら悲しい。
自分で書いてても、そうとうキモいが、そうなんだし仕方ない。
じゃあ永遠に終わりがない方がいいのか?って言われたら、それも違うから困るんですわ。
その一瞬の煌めきを、美しい思い出として、心の引き出しにしまっておきたいので、永遠につづきゃいいってもんでもない。
非常に複雑すぎるこの感情は、このワタシの表現力では説明できないのがもどかしいところだけど、とにかく、終わらないで欲しいけど、永遠にも続かないで欲しいのだ。
ただ、ワタシの心に残った物はだいたい、
置いてかないで!!!!!
と、思ったものだ。
そういうのが良い作品だと思っている。ということにもいま気が付いた。
うん十うん年生きてきて、ようやくここで、自分が良いと思うものの定義(?)みたいなのに気がついたなんて、多分アホなんだろうな。。。
どっちにしても気づけてよかった。
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