今週見た映画

文字数 2,027文字

シン・ゴジラの庵野秀明監督、実写映画処女作「ラブ&ポップ」
台本はあったけど、重要な台詞以外は自由に会話させたというリアルな女子高生の会話というのが、あんまりリアルに感じなかったのは、女子高生を演じてる女子高生が既にタレントや女優として活動していた、いわゆる普通の女子高生じゃないからかも知れない。
ワタシは援助交際などとは無縁の人生を送ってきた人間なので、欲しいものの為に、知らん男から金を貰って自分を売る女子高生の気持ちはよくわからないのだが、仲間由紀恵くらい美人だったら、まあ、やってもいいかな?とかいうくだらない事を考えた。
この作品のキモは多分援助交際じゃなくて、主人公が成長する友達に置いてきぼりにされる焦燥感なんだろうと思う。知らんけど。
ただ、ワタシは女子高生にそんなに価値を感じてない(男子校生も)ので、日本のJK信仰には結構ウンザリしてる。

自閉症の性と貧困を描いた問題作「岬の兄妹」
仕事をクビになって生活がままならなくなった兄は女衒として、自閉症の妹を男に斡旋し始める。という結構、衝撃的な内容だった。
福祉の手が伸びないのか、あるいは、そこにアクセスする術を知らないのか、兄妹はひたすら貧しい。
言い方は悪いが、こういう底辺に生きる人たちの存在に、世間は薄々気づいてはいるんだろうと思う。
貧困絡みで命を落とした人たちのニュースを見るたび、ワタシは「なんの為に高い税金払ってると思ってんねん!福祉ってなんやねん!!!どこが先進国か!先進国を名乗るなボケェ!」と毎度テレビの前でブチ切れる。
税金をちょっとはまともに使って下さい。
この映画には貧困ともう一個、障害者の性について問題を提起している。
その辺は本もあるので読むといい。
ワタシは昔読んだ。
良い悪いはどうこうというより、エンターテイメントなので、ガチで問題を取り上げるわけにもいかないのか、なんとなく主題がぼやけた感じがした。

ストーリーはある様なないような、だけど勢いだけはめちゃくちゃある「デストロイヴィシャス」
2011年の映画だし、監督もまだ若いんだと思うけど、勢いだけはすごかった。
勢いがすごい。
好きか嫌いかは別だけど。
生活環境が変わったり、そんなに社会や世間に対して、腹を立てなくなるからか、若い時はめちゃくちゃ尖った歌詞とか音楽でやってたバンドでも、歳を経るとなんか落ち着いたよねぇ。と思うことがある。
映画監督も、ワタシはそうなんじゃないかと、ずっと思っていたのだが「エクソシスト」のウィリアム・フリードキンの「キラースナイパー」(元題キラージョーの方がしっくりくる)は76歳の時なので、年齢に関係なく尖ってた映画を撮る人もいるみたいだ。ワタシもそうなりたい。
懐かしいバンドマンが登場したり、声優の大塚明夫とか、まだかろうじて細い(微妙)鳥肌実が出てたりするので、楽しめるひとは楽しめる。

「蜜のあわれ」
室生犀星の「蜜あわれ」を映画化。
原作は読んでません。その内読もうかな。
ペットの金魚を擬人化してるという部分が、今のオタク文化に通じている。
日本のオタク文化は日本が誕生した時からあるのかも知れない。知らんけど。
最近は昔の映画女優みたいなTHE女優って感じの女優が少なくなってきているので、非常に貴重な存在だなと思った。二階堂ふみ。
ふみって名前も古風でいい。
古い日本の映画もきっとたくさん観てるんだろう。「蜜のあわれ」では時代背景も踏まえた、昭和の女優っぽい演技をしていて、そこもいい。
言葉尻が跳ねる感じ。
説明が難しいけど、最後がしゃくれるというか、なぜ昔の映画の女優は言葉尻が跳ねるのか?
昔って言っても、多分、80年代くらいまではだいたい跳ねてる。
跳ねてる人と、跳ねてない人の割合は8:2くらいの気がする。

韓国のアニメ映画「整形水」
韓国というと映画は時々見たりするけど、アニメは多分、新感染の前日譚を描いたやつを見たことあるくらいだ。
昔、韓国映画って救いがないよね。
と友人が言っていた。
ああ、たしかに。と納得した。
救いがある映画もあるんだろうけど、ワタシが観た映画は概ね救いがない。
人生は常にハッピーエンドというわけじゃないからこそ、フィクションにハッピーエンドを求める人が多いのかもしれない。
ワタシはバッドエンドでも鬱エンドでもなんでもいい。自分が面白かったら。
けど「ファニーゲーム」の様な理不尽胸くそ映画は全然好きじゃない。
それからポン・ジュノの映画とキム・ギドクの映画のどっちが好きか?という事を妹と話たのだが、ワタシら姉妹はキム・ギドクの人間性に問題はあろうが、キム・ギドクの映画方が好きだな。という結論に至った。
ワタシは「悪い男」が好きだ。
そういえば、「悪い男」は若干救いがあった気がする。
岡田斗司夫が「作品のファンになるのは悪くないけど、作者のファンになるのは良くない」って西原理恵子問題で言ってたが、作者の人間性と作品の良し悪しは別と切り離した方がいいと、ワタシも思う。
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