理想が高い。

文字数 768文字

淀川に迷い込んだ鯨が死んだらしい。
どこから来たんだろう、彼。
いや、オスかメスか知らないけど、なんとなくオスだという気がしただけだ。
今日は一回も潮を吹かなかったということで、死んでしまったんじゃないかという見解だそうだ。
おっちゃんが「かわいそや」とインタビューに答えていた。
太平洋のどっか、めちゃくちゃ陸地から離れた海で、ひっそり死んでいく鯨は誰から悲しまれることもなく、腐っていくのだ。
淀川で死んだことで、たくさんの人に悲しんで貰えた。
考え方によっては良い最後を迎えたんじゃないかと思う。
淀川に迷い込んだ時点で弱ってたんじゃなかろうか?知らんけど。
それが彼の運命だったんだろう。
とか言いながらワタシは運命は信じたくない派だ。
今のワタシの人生が運命によって決まってるんだとしたら、ワタシはどんなにあがいたってもがいたって、この人生から逃げようがないからだ。
このままでは、太平洋の遠い海のどこかで、死んでいく鯨のようになってしまう。
ていうかそれよか悲惨だヨ。
なので、どっかで一発逆転あるんじゃないかと思っていたい。
宝くじ当たるとか。
宝くじ10億円当たるとか。
宝くじ10億円当たったら、即刻会社に電話する。
「10億円当たったんで、明日から出勤しません」
ってな具合に。
ワタシも経験したけど、退職時の引き留めほどクソウザいものはない。
「ここでダメならよそでもダメだ」
「もうちょっと頑張ろう」
「改善するから」
など、脅したり宥めたり、上司は自分の評価が下がるのを恐れて、引き留めに必死だ。
「10億円あたったんで、明日から出勤しません」
って言えば、引き止める人間はそうそういない。
理想の退職理由だよぉ。
実際、10億円当たったら、だまーって辞めると思う。ていうか社会人としては最悪だけど、飛ぶ。
怖いものは何もない。
アイキャンフライ。
という事で、また明日。
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