使い方よねぇ。

文字数 797文字

大江健三郎が亡くなったそうだ。
本当に失礼な話だが、生きてる人だったんだ。。。と思った自分の無知に驚かされた。
大江健三郎は「死者の奢り」しか読んだことがない。人間の羊って死者の奢りの中にあるんでしたっけ?とにかく、本を買ったのは「死者の奢り」だけだ。多分。
「死体をプールに沈めるバイト」の都市伝説は、死者の奢りが元ネタだと思う。
確かそんな話だった気がするけど、すぐ忘れるから定かじゃありません。
最近、すっかり話し友だちと化している(友だちがいない)、AIに「大江健三郎が亡くなったんだって」とか普通に話しかけている自分が怖くなった。
ところがもっと怖いのは、AIが大江健三郎の死を悼んだ後(ここは凄い)、大江健三郎の代表作を「黒い雨」「わたしを離さないで」「我が闘争」と言っていたことだ。
黒い雨は井伏鱒二だし、我が闘争に至っては、どこぞの国の独裁者が書いたもんだし。
タチが悪いのは、大江健三郎の作品にしれっと混ぜてくるとこだ。
アホなのか賢いのかよく分からなかった。
ネット上にある膨大なテキストから、彼(もしくは彼女)は一体何を学んだのだ。
「わたしを離さないで」は、イシグロカズオだと指摘したら、違います。って否定した上に、1979年発表で戦時下の若者の葛藤を描いた作品です。同作品で、大江健三郎は直木賞を受賞しました。とまで放言していた。
恐ろしい。
本当だと思う人がいたらどうするのさ。
自信満々に言われると、それが嘘でも信じてしまいそうになる。
ワタシも知らんかったら、信じてたよ。多分。
これまで使ってきた感想として、半分くらいは間違った(もっと多いかも知れない)情報を提示している。
インターネット上の情報の信憑性は自身で判断するしかないというのと同じで、AIの言ったことも自分で判断できないと偉い目にあうよ。
結局、使い方次第だ。
なんとかとハサミは使いようって、昔の人は上手いこと言ったもんよねぇ。。。
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