なんだかなぁ

文字数 854文字

バットマンVSスーパーマンっていう映画がある。
ゴッサムシティの上空でヴィランと戦いまくるスーパーマンに、バットマンであるブルース・ウェインが、俺の街と俺の市民を犠牲にしやがって、あのクソ野郎!!!と怒り狂うという映画だ。
いや、そんな映画でもないけど、始まりはそんな感じだ。
もちろん、スーパーマンはゴッサムシティをぶっ壊してやろうっていうつもりは微塵もない。
そこに現れた人類の敵を、人類の為に倒す為に戦っていただけだ。
スーパーマンがぶん投げた敵がぶつかったビルがぶっ壊れたり、壊れたビルの破片が偶然そこにいた人の頭上に落ちて来て、罪なきゴッサム市民がたまたま死んだ。それだけなのだ。
自分の正しさを貫くって言うのは、そういう事だ。
その他大勢の犠牲については目を瞑る。というかスーパーマンのように、目の前にある物事しか見えてない。
スーパーマンは自分がしてきたことが、バットマンにとっての悪だったことを知ることになった。
スーパーマンは気付いたけど、漫画界の巨人はどうだったんだろう?
その周辺で同調した業界関係者は、自分達のしたことを悔いたんだろうか?
残念ながらワタシは村上春樹を読んだことがないし、いわゆるガロ系を読み始めた頃、青林堂自体がほとんど傾いてたし、本が近所の書店にならぶことも殆どなかった。だから件の漫画家を存じ上げなかった。無知。
踏まれても踏まれても、立ち上がったその人は立派だ。
発表する場を変え、新境地を開拓したのだから。
努力と忍耐と才能の結果だ。
だけど言わないだけで、同じような目にあった人がいるんじゃないかと勘繰ってしまう。
だって相手はスーパーマンだ。
その中には、二度と立ち上がれなかった人もいたかも知れない。
おかげで、ワタシは自分の意思とは無関係に、スーパーマンが排除してきたかも知れない多くのものを知らずにここまで生ることになった。
ただし、くだんの漫画家に影響を受けた才能は、今も業界で活躍しているかもしれない。
そういう人が活躍している世の中だと信じたい。
ワタシも作品集を読んでみようと思う。



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