悲しいけどそれが現実だ。

文字数 879文字

ちょっと前からうちの近所の施設に高齢女性のホームレスと思しき人が居る。
おそらく七十代だ。
いつも声を掛けようか迷うのだが、なかなか声を掛けることが出来ないでいる。
どういう事情があるのかわからないけど、取り敢えず、地域の包括センターにどこに連絡すれば良いのかを問い合わせしてみた。
ちゃんと返事が来るんだろうか?
人に手を差し伸べるためには自分がまずしっかり立っていないことにはどうしようも無い。
ワタシは去年半分以上の時間を無職として過ごしていたので、自分以外の外側に目を向ける余裕が無かった。
今も別に余裕があるわけじゃ無いけど、取り敢えずは毎月お給料を貰うことができている。
好きでそういう暮らしをしているから、放っておけばいい。という人が時々いるけど、ワタシは自分がそうなった時(可能性はなくもない)、きっと辛いだろうし悲しい気持ちになる。
そもそも好きでそういう暮らしをしていると思う根拠ってなんだろう?
自分に置き換えたら、そんな暮らしを好きになれるとは思わない。
そうやって、自分の社会的な責任や、何かを背負うことから逃げてるだけじゃないかとすら思ってしまう。
だけど、そういう人をワタシも責められない。
見てみぬふりをしてきたのは、同じだからだ。
ワタシは自己責任論が嫌いだ。
努力すれば報われるなんていうのは、幻想に近い。
努力したって、どうにもならないこともあるし、努力しなくたってどうにでもなることもある。
ワタシは概ね後者だ。
家族に恵まれた。
家族の良し悪しは、努力でどうにかなるもんじゃない。
今、日本は高齢者のホームレスが増えているそうだ。
特に、単身の人はちょっとしたきっかけでホームレスに陥る。
体を壊したり、怪我をしたりで働けなくなり、その上で頼れる家族が居ないとなると、行く先はひとつだ。
単身者のワタシには、他人事だとは思えない。
今はいるけど、母はいつまでも生きていないし、妹だって絶対ワタシより先に逝くと思う。
姪っ子や甥っ子には彼らの人生があるし、もし、何かあった時、頼れるわけじゃない。
明日は我が身。
ワタシは運が良かった。
ただそれだけって気がする。
今のとこ。
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