あんまりないけど、時々ならあるよね?

文字数 905文字

今朝、営業マンのKさんが、ワタシのスニーカーを見て「糸生さんKEEN履いてるじゃないですか」と言った。
ワタシは二つ持ってるサンダルもKEENで、スニーカーもKEENなので一年の八割、KEENを履き続けている。二割はVANSかアディダスだ。
「いつもこれなんです。。。」
と、普段話しかけられないので、めちゃくちゃきょどりながら答えたら、Kさんが「メックは高いよね」と言うではないか。
「メック」なら履いたことあるぞ!会話を広げるんだ!と勇気を出して「履いた事あるけど足痛かったです」と返した。ところが、会話が広がるどころかKさんはイマイチな反応で「。。。へぇ」と言って去っていったのだ。
え?ワタシ変なこと言った!?
と、一瞬だけ気まずい思いをしたものの、持ち前の忘れっぽさを発揮して、すっかり忘れて仕事をしていたその時だ。
待って、メックって何!?
と、急に思い至った。
ワタシはメックを米アウトドア用品ブランドの「メレル」と勘違いしていたのだ。
メックは履いた事ないがメレルはある。
全然違う様に見えるが、どっちも「メ」から始まるから、間違っても仕方ないじゃないですかぁ。
くっそっ!!!はっず!!!
とパソコンの前で、一人悶えたがもう後の祭りだ。
知ったかぶりした人みたいじゃないか。
全ての恥の中で、もっとも恥なのは、知ったかぶりだと思っているワタシは、死んだ方がマシな気分にすらなった。
ワタシは知らないものを知らないと素直に言える己の感性を、とても大切にしているのだ。
素敵な事みたいに言ってみる。
得意のチャットGPTに聞いてみたら、メカニカルの略以外の意味はないと言っていた。
嘘コケ。
いや、本当かも知れない。なんせワタシはメックについては検索しないと決めたから、チャットGPTが本当のことを言ってるかどうか検証しようがないのだ。
なぜって?
間違っていた事に気づかないふりをし続ける予定だからだ。
メックが何かを知ってしまったら、負ける気がするのだ。なんかわからんけど、負ける気がする。そしてワタシは負けたくないのだ。
だからもう間違ってたことに気付かないまま生きている人のふりをして生きていくと決めたのだ。
そういうことって、あるよね。
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