妖精になれる店

文字数 626文字

奈良には時々行くけど、若草山には登ったことがない。というか若草山ってのぼるもんなんだ。ということを今日初めて知った。登山なんて、十代のころ行ったのが最後だ。
あ、いや、日本屈指のパワースポット三輪山には登ったな。。。二年前に。
あそこであった不思議な事を絶対に他言してはいけない。という話なのだが、マジで一切何にも不思議なことがなかったので話したくても話せないというジレンマがなくていい。
私などは歩き始めて間もなく、死にそうになったのだが、八十歳くらいのお爺さんはスタスタ元気に追い抜いて行った。凄い早かった。
実は三輪山は二回行った。
一回目はなにかの神事が絶賛開催中で入山出来なかったのだ。
その帰り、なんか食べようと入った店がちょっと変だった。
ご年配の夫婦がお二人で経営されてたのだが、なぜかお婆さんはうちの妹にばかり話しかけるのだ。
ワタシと友人はフル無視で。
とにかくこのフル無視が怖いのだ。
そして、にんじんの天ぷらがほぼ生だった。
にんじんの天ぷらを食べたのは初めてだった。
かき揚げじゃない。
輪切りの天ぷらだ。
どちらかと言うと、妹は金髪だしボディピアスも五個ぐらいしているし、ワタシと友人なんかよりずっと話しかけにくいのだ。知らんが。だいたいキャッチなどは避けていく。
「おくさん(割と奥さんには見えないタイプだが)、ゆず持って帰ってちょうだい」と妹にだけ土産として柚子を渡していた。
あのお婆さんにとって、ワタシと友人は目に見えない妖精だったのかもしれない。
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