第78話

文字数 497文字

花火をしてきた。

これがなんていう花火かは知らないけど、線香花火のデッカい版みたいでなかなか綺麗だった。
とはいえ、じーっと花火を眺めながら、のんびり夏の夜を楽しむなんていうことはない。
風が強すぎて蝋燭に火がつかないため、仕方なく百円ライターで火を付けていたからだ。
何本も火を付けるのは、流石にワタシも熱いので、一本目の火が消える前に、次の花火に火をつけて、次が消える前にまた次。と、花火から花火へ火を移すので、めちゃくちゃ忙しなく終わってしまった。
毎年同じ調子だ。
ワタシは花火を準備しながらだし、妹はゴミを片付けながらだし、姪っ子だけが「あー楽しかった」と言っていた。
大人は忙しなすぎて、楽しむ暇もない。
思えば、ワタシも子供の頃は楽しかったことがいっぱいあったのだが、大人になってから、そういうものが楽しめなくなった。
全部自分で準備も片付けもしなきゃいけなくなったからだ。
なんでも自分でやらなきゃいけないのって、面倒くさいが先に立ってしまって、楽しめないのだ。
結局、なんか手軽で片付けもいらんし、ボタン一個で済む、ゲーム機とかで遊んでしまって、どうしようもねぇな。。。と、思ったりするときもある。
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