楽天地を読んでの雑記。

文字数 1,858文字

先ず、毎週二回の連載お疲れ様でした。
という労いの言葉をかけたいと思う。
毎週二回、著者の流矢さんに勝手に並走(後追い?)していたワタシは、長い旅路をやっぱり勝手に完走した。
コメント欄を閉じていることもあり、避けた方がいいのかも知れないのだが、ここでなら書いてもいいよね。と勝手に書き始める。

著者の流矢アタルさんが後書きを公開されたので、あ、良かった。。。とちょっとばかりほっとした。
実は読み終わったこの80時間余り、もっとかも知れないけど、ずーっと、ああでもないし、こうでもないし、とかごちゃごちゃ言いながらメモ帳に感想文を書いては消してしていた。
先走って何も書かなくてよかった。
実は未だに解明していない謎があって、最後の憲之の足元にアレしていたあれは、どう言う意味だったのかで、めちゃくちゃ悩んでいる。
終電を逃した後の人んちの布団の中でもずっと考えていたのだ。
なにかの象徴だったのだろうか。
ワタシが単純に読み逃してる可能性もある。
すぐ忘れるし。
情け無い事に、流矢さんにインスピレーションを与えた書籍は一冊も読んでいないワタシであるので、どのあたりがそうであるのかと言うのが全くもってわかってない。
教科書に載っていたなら読んでるかも知れないけど、ワタシは小学生の頃は授業中ずーっと不真面目に漫画の絵ばっかり描いてた小学生だったのだ。
国語が得意というよりは、国語は自然に出来る範囲で出来たっていうだけのロクでもない人間だ。
よく小説の様なものを書いてられるなと呆れる。

楽天地を読み終えて、ワタシはちょっと自分の生活の当たり前が、当たり前であることに慣れすぎてたな。。。と思った。
というのも本作のチヤとロクは、いつか自分たちが幸せになれる楽天地を目指しているのだと思っていたのだ。
だって余りにも辛すぎる。
辛い事ばかりの人生だった気がする。
漁村を追われ、赤線地帯を追われ、都市開発によって都会を追われ、やっと辿り着いた地からも追われる事になった。
いつか幸せになって欲しいというか、いつか二人は幸せになるんだろう。と思って読んでいたが、一向に楽天地にたどり着く気配がないのだ。
が、そうではなくて、彼らはその時代時代で実はちゃんと自分たちの暮らす場所が楽天地だったという自覚があった。
それは家族がいて、誰かを思い遣って、住むところがあって、食べるものに困らない、そういうごく普通の生活で、チヤとロクは辛いことがありながらも日々の生活の中で、どんな小さな事にだって感謝して幸せを感じられていた。
もっとお金あったらなぁ。。。みたいな拝金主義者のような考え方のワタシじゃ、そら、気づかんよなぁ。。。と反省すらした。
自分ごとながら、どういう育ち方をしたのだろうか。
酷いものだ。
確かに振り返ってみれば、ワタシはお金に困ったこともないし、寝る場所も、食べるものもあった。家族にも恵まれている。辛いことはたくさんあったけど、幸せだったはずなのだ。
それでも、まだまだ、いやもっと、と多くを望みすぎて、些細なことに感謝するようなことを忘れている。
最近、このワタシのしょーもない価値観について考えさせられる人に出会ったこともあり、楽天地を読む事でさらに考えさせられる結果になった。
不思議なことに楽天地の連載が始まった頃に、その人とは話をする様になったのだ。
終電を逃したワタシに布団を提供した同僚の女性だ。
偶然というのは重なるらしい。
もしかすると、神様が「もっとしっかりしろよ!!!」と喝を入れてくれたのかも。と思ったりしている。

前作のビタースウィートサンバと繋がってると知ったのは、後書きを読んでからという、ファンとしては有り得ない話だが、創作物の中の登場人物の名前は自分が付けたって忘れる人間なので、許していただきたい。
脚のあれは、憲之にロクじいが最後に残したちょっと先の未来のことなのかも知れないな。と、これを書きながら、今まさに思いついた。
後書き読んでも気づかんという鈍さ。
もう二ヶ月以上飲み続けているドコサヘキサエン酸は全く効果がない。

ちなみにワタシは読者の後書きは絶対読むタイプの人間なので、裁判員裁判の話も楽しく読んだ。
人が亡くなっているのだし、こういう言い方はアレだけど、その経験は非常に羨ましい。
母に一度だけ、選ばれました。という知らせが来たが、ワタシのところにはまだ一度も来ていない。
因みに運がいい人と運が悪い人との差は、実はほとんどないそうだ。
であれば、運が良くないと思っているワタシにも、その運はそのうち回ってくるかも知れない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み