ダーマーを観る

文字数 701文字

Netflixでミルウォーキーの食人鬼と呼ばれたジェフリー・ダーマーのドラマが配信されている。
二十歳くらいのころ、ジェフリー・ダーマーについて書かれた本を読んだことがあったけど、そういう本はだいたい、殺人鬼がどういう事件を起こしたのか?とか本人の生い立ちいなどについて書かれているだけで、その周辺や被害者の人生について書かれているわけじゃない。
それに反してこのドラマはジェフリー・ダーマー本人はもちろん、隣人の黒人女性、ダーマーに殺された被害者、ダーマーの両親など、ダーマー以外のそれぞれの視点で事件を描いていて、多方面から事件を見ることができる。
ジェフリー・ダーマーは、事件が発覚するその日まで「良き白人」だった。
有色人種が多い、所謂ゲットー(貧民地区)に暮らしていたことや、人種、性的マイノリティへの差別や偏見が、ダーマーの凶悪性を隠す隠れ蓑として機能してしまい、その結果、1978年から1991年の13年間にわたり、合計17人もの青年の命が奪われることになったのだ。
ドラマは人肉を食べていたことや、ダーマーの凶悪性などの、わかりやすくてセンセーショナルな部分ではなく、17人まで被害者を増やした、その社会的背景にスポットが当てられていて、非常に面白いので見てください。
昨今の自己責任論や、個人主義がいかに弱者を追い詰めるか、というのもよくわかります。

主演のエヴァン・ピーターズをワタシはアメリカン・アニマルズとかキック・アスとかデッドプール2で見た様だけど、全然顔を覚えてなかったのだが、彼の演じるジェフリー・ダーマーがあまりにもキモすぎるので、顔を覚えてしまったくらいだ。恐らく二度と忘れない。
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