色々あるよね

文字数 905文字

昨日は中学時代からの友人とご飯を食てきた。
会うのは2年ぶりだ。
彼女が地元を離れたので、会う機会がなくなった。
周囲の環境が変わったことで、友人の人間関係は大きく広がり、以前は、ワタシとしかいかなかった旅行にも、会社の同僚らと行っているんだそうだ。
ワタシはいまだに旅行は妹か彼女とだけだと思っているので、どちらとも都合がつかなければ行かない。
ワタシがしばらく無職だったこともあるし、給料面での格差も大きいかも知れない。
そうは思っていたって、なんだか置いてきぼりにされた気分だ。
寂しいことだけど、仕方ない。
今まで一回も、友人に何かを奢ってもらったことはなかった。
ワタシも彼女もお互いそういうことはしなかった。どんな時も割り勘だった。
が、食事の後、立ち寄ったコーヒーショップで、友人がコーヒーを一杯奢ってくれた。
ワタシはワタシで、じゃあいただきます。と、珍しく素直に受け取った。
このうん十年、そんなことなかったのに。
ワタシ達の関係は、これまでとは違ってきているんだろう。
駅の改札で「また、ご飯行こうね」と手を振る彼女を振り返り、「またなんて、本当にあるんだろうか?」と考えた。
同じ大阪に住んでいるけど、2年も会ってなかったのだ。
ワタシは、彼女の祖母が亡くなったことさへ知らなかった。
一度会ってから、次に会うまでのインターバルは年々長くなっている。
そもそもワタシが連絡しなければ、向こうからの連絡はない。
父が亡くなった時、猫の世話をしてくれたり、家のことをしてくれたのは友人だった。
ワタシはだから彼女には特別な思いがあるのだ。
初めての海外旅行も、彼女と一緒だった。
だけど、ワタシはいつの間にか、大勢の友人や知人の中の一人になっていた。
選択肢の一つではあるだろうけど、それだけだ。
一期一会というには、あまりに長い付き合いだ。
ただ、それも人生だと言われれば、そうだとも思う。
これまでだって、くっついたり離れたりして、多くの出会いや別れがあったのだ。
彼女だけが例外とは限らない。
この先、彼女みたいな友人ができる自信はない。
彼女がワタシをそう思っていてくれて、何年かに一回、元気にしてるかな?と思い出してくれたらいいな。と思う。
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