Discloseー49

文字数 431文字

車にエンジンを掛けた音で目を覚ましたのか、トランクの中から声が聞こえだした。

幸い、ここは風が強く車もひっきりなしに通っているので、この程度の声なら外で聞いても響くことはない。

それよりも、さっきから胸騒ぎがする。

あいつ、もしかしたら警察の人間なのかもしれない。
そう思い立ったら一刻もここから離れて、走りながら確認したかった。

自分が動き出したと同時くらいに、見える範囲の何台かが動き出したように思えた。

実際、その時点では警察は間に合っておらず、実際にツケていたのは、御幸の部下だけだった。

御幸は展望スペースで接しているので顔バレを避けそこからは少し離れて尾行の車の後を追っている。

甫が車に戻る前に、赤外線センサーでトランク内をスキャンし生存していることは把握していた。

ただ、御幸は浅霧には協力するも警察に協力する筋合いは無いと考えているので、駐車場なんかで警察を呼ぶと自分も巻き込まれかねないと敬遠し、通報させたのは甫の車が駐車場を出るタイミングになってからだった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み