ACT5

文字数 491文字

今回も 、警察の浅霧が関わったら問題になるような方法で、彼らの生存確認をしてくれている。

そこから聞いた限り、健はコツコツと仕事をしているようだ。

ここであった時、女性の指のような華奢さがあったがそんな事もなりふり構わないような、力仕事とかもしているという。

守るべき相手がいる人間には、生き抜く強さが備わってくるものだ。

守は一緒に暮らしてはいないが、そっちも寮のある会社で頑張っているらしい。

そして守と健に後押しされて、手に職を付けるためと言って、紗綾は美容師の資格を取るために専門学校に通っている。

昔、色々あったにせよ、新しい道を歩き出した3人には幸せになってほしいと俺も高橋も思っているのだった。

けれどまだ事件が終わっていない俺の中では色んな事が完結していないから、健が言っていたことを、雨を見るたび思い出す。

力の弱い女性がする『仕業』だから天気を利用することが多かったと。

そういう意味で言うと、今日みたいな時折強く降るこの雨を利用して事件が起きなければいいと願いつつも、こういう日を山田の母親・・・彼女たちは利用しているので、しっぽを掴むチャンスでもあり、浅霧の胸中は複雑だった。
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登場人物紹介

江尻甫(えじりはじめ)・・・このストーリーの主人公。都内の会社でSEとして働いている。ある日、警察から事情聴取を受ける。

浅霧・・・警視庁の刑事。少し風変わりだが優秀。自分の気に入った事件にはものすごく集中して動く。

結城・・・警視庁の刑事。浅霧の同僚。

御幸・・・なんでも屋。浅霧の大学の同級生。違法行為も行う。

三井・・・所轄の新人刑事

高橋・・・浅霧行きつけの喫茶店のマスター

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