ACT77
文字数 676文字
捜査の過程で事件性が明るみにはなってきたのだが、犯人に気づかれないのが警察側としては都合がよかった。
マスコミ側が触れて来なかったことをいいことに、地道な捜査が進められ、江尻にたどり着いたのが停電から15日ほど経ったあの日だった。
そのときになってようやく、江尻の立場で知り得たのが一人が死んだこと、もう一人が重体で有ることだったのだ。
何らかの形でこのことを知っていたかあるいは主犯である江尻は嬉しさがこみ上げてきたのだろう。
だから、浅霧に後ろからつけられているなどと知らずに喜びが体から溢れるほどの状態だったのだ。
ある程度、動向がわかってきてからどう行動するかは想定していたのだろうけど、実際にもう一人、つまり中西氏の生存が判明してからの動きは早い。
警察からは疑いの目を向けられるだろうことは想像がつく。
彼は、HIROBAで本間や阪本からも情報を探ろうとしたのだろう事は、数日平穏に今まで通りの生活を過ごしているように見えていたことからも想像できる。
ただ、そこからは読み解けなかったから行動に移したのだ。
つまり、そこ以外の方法で中西氏の入院先を確認しなければならない。
本間になって動いた理由。
その後に病院へと「偽名」出来たことからもわかる。
「どうして、やつはあの名前で病院に来たと思う?」
その質問は突拍子もないもので結城も答えがでない。
二人も考えているが、想像が出来ずにいるようだ。
「じゃあさ、俺が振り回した事を差し引いてさ、君たちに問いたい。今、わかっていることと、感じたこと何でもいいから上げて。」
そう言うと、浅霧は目を閉じてそっくり返ってしまった。
マスコミ側が触れて来なかったことをいいことに、地道な捜査が進められ、江尻にたどり着いたのが停電から15日ほど経ったあの日だった。
そのときになってようやく、江尻の立場で知り得たのが一人が死んだこと、もう一人が重体で有ることだったのだ。
何らかの形でこのことを知っていたかあるいは主犯である江尻は嬉しさがこみ上げてきたのだろう。
だから、浅霧に後ろからつけられているなどと知らずに喜びが体から溢れるほどの状態だったのだ。
ある程度、動向がわかってきてからどう行動するかは想定していたのだろうけど、実際にもう一人、つまり中西氏の生存が判明してからの動きは早い。
警察からは疑いの目を向けられるだろうことは想像がつく。
彼は、HIROBAで本間や阪本からも情報を探ろうとしたのだろう事は、数日平穏に今まで通りの生活を過ごしているように見えていたことからも想像できる。
ただ、そこからは読み解けなかったから行動に移したのだ。
つまり、そこ以外の方法で中西氏の入院先を確認しなければならない。
本間になって動いた理由。
その後に病院へと「偽名」出来たことからもわかる。
「どうして、やつはあの名前で病院に来たと思う?」
その質問は突拍子もないもので結城も答えがでない。
二人も考えているが、想像が出来ずにいるようだ。
「じゃあさ、俺が振り回した事を差し引いてさ、君たちに問いたい。今、わかっていることと、感じたこと何でもいいから上げて。」
そう言うと、浅霧は目を閉じてそっくり返ってしまった。