Disclose6
文字数 694文字
「昨日は、ゆっくり眠れましたか?江尻さん。」
そう言いながら椅子を引き、ゆっくりと座る。
結城はドアの近くに立ち、出番を待つ。
先に仕掛けるのは今日は結城の役目だった。
昨日、あの車での出来事を一つ一つ確認してくような作業的行為。
確保された時点で取り乱していたこともさもなかったように見える。
「どうして、本間はあの中にいたんですか?」
「彼に頼まれたんですよ、目が冷めたら知らない場所に着いてて、単純に驚きたいって。
でも、なぜか警察の人が出てきちゃったんで、あ、これは僕のほうがはめられたんだと思って、つい動揺してあんなに取り乱してしまったんです。すみません。」
と、何も知らなければ、聞いて信じてしまう人がいるような言い訳をさも平然と言う。
車の名義が、本間のものだということもそういうことの確固たる理由だと言い放つ。
思っている以上に弁が立つようだ。
その1日の行動確認だけで、午前の取り調べの時間をすべて要してしまった。
休憩の時間になり、江尻は一度退席した。
不思議なことに、その時間浅霧は一言も話さずにいた。
そのせいもあるのか、江尻が少しずつ不機嫌になっていった。
結城が話しているのに、結城の方を一度も見ることなくずっと浅霧をみていた。
堂々としていた態度も少しずつ様変わりしていき、終わる頃には机の下で見えないのに、手をソワソワさせて落ち着かないでいるのがわかるくらいだった。
なんとなく、それすらも浅霧は楽しんでいるようだった。
その休憩を見計らったようなタイミングで一人の訪問者がやってきた。
40代だと思われる男性は、受付に
「刑事課の方へ、お話があってまいりました。」
と、アポイントをとってきたのだ。
そう言いながら椅子を引き、ゆっくりと座る。
結城はドアの近くに立ち、出番を待つ。
先に仕掛けるのは今日は結城の役目だった。
昨日、あの車での出来事を一つ一つ確認してくような作業的行為。
確保された時点で取り乱していたこともさもなかったように見える。
「どうして、本間はあの中にいたんですか?」
「彼に頼まれたんですよ、目が冷めたら知らない場所に着いてて、単純に驚きたいって。
でも、なぜか警察の人が出てきちゃったんで、あ、これは僕のほうがはめられたんだと思って、つい動揺してあんなに取り乱してしまったんです。すみません。」
と、何も知らなければ、聞いて信じてしまう人がいるような言い訳をさも平然と言う。
車の名義が、本間のものだということもそういうことの確固たる理由だと言い放つ。
思っている以上に弁が立つようだ。
その1日の行動確認だけで、午前の取り調べの時間をすべて要してしまった。
休憩の時間になり、江尻は一度退席した。
不思議なことに、その時間浅霧は一言も話さずにいた。
そのせいもあるのか、江尻が少しずつ不機嫌になっていった。
結城が話しているのに、結城の方を一度も見ることなくずっと浅霧をみていた。
堂々としていた態度も少しずつ様変わりしていき、終わる頃には机の下で見えないのに、手をソワソワさせて落ち着かないでいるのがわかるくらいだった。
なんとなく、それすらも浅霧は楽しんでいるようだった。
その休憩を見計らったようなタイミングで一人の訪問者がやってきた。
40代だと思われる男性は、受付に
「刑事課の方へ、お話があってまいりました。」
と、アポイントをとってきたのだ。