その36
文字数 664文字
その2つ それぞれを、それぞれの課長の部下や店員が思い出したらしく
「少し前、被害者と揉めていた人がいる。」
という証言になった。
そのうちの何人かが以前、個々の会社で働いていた「江尻甫」という人物だと言ったことで、同じ日に確認に来たというのがさっきの2時間の顛末だった。
僕がこんなに衝撃を受けているのは、課長は立て続けにそういう事が2件も続いて起きたのを、一気に聞いたからだと思ったに違いない。
それもそうではあったが、僕は最後まで課長には言わない事で喉が渇くまで落ち着きが無かった。
なぜならその二人のことを僕は一瞬でも
「殺してやりたい」
と、思っていた事だ。
アイツラはあんな公衆の面前で、僕を辱めた。
その夜、僕は眠れないくらい、恥ずかしくて悔しかった。
そんな事が同じ週に2回もあったから、本当はその週末気が狂いそうだったのだ。
なのに・・・。
課長が僕に感じた違和感の正体の裏で、僕の気持ちが落ち着き無く見えた部分は言えない。
「そうか、分かった。それを飲んでちょっと休んだら席に戻れ。」
と、声を掛けて出ていった。
僕は課長が出ていった後、口元を覆った。
体の奥からこみ上げてくる笑い。
それと、何が起きているのかわからない不安とが入り混じって、大声をあげそうだった。
こんな形で、僕が望んだ事が叶うなんてという嬉しさ。
でも、それがいっぺんに訪れてきた怖さ。
その両方の感情の波が、僕を心をかき乱して心の中が情緒不安定だった。
そんな気分のまま10分ぐらい会議室を占領していたが、別の班が会議に使うからと言って追い出された。
その足で、自分の席に戻った。
「少し前、被害者と揉めていた人がいる。」
という証言になった。
そのうちの何人かが以前、個々の会社で働いていた「江尻甫」という人物だと言ったことで、同じ日に確認に来たというのがさっきの2時間の顛末だった。
僕がこんなに衝撃を受けているのは、課長は立て続けにそういう事が2件も続いて起きたのを、一気に聞いたからだと思ったに違いない。
それもそうではあったが、僕は最後まで課長には言わない事で喉が渇くまで落ち着きが無かった。
なぜならその二人のことを僕は一瞬でも
「殺してやりたい」
と、思っていた事だ。
アイツラはあんな公衆の面前で、僕を辱めた。
その夜、僕は眠れないくらい、恥ずかしくて悔しかった。
そんな事が同じ週に2回もあったから、本当はその週末気が狂いそうだったのだ。
なのに・・・。
課長が僕に感じた違和感の正体の裏で、僕の気持ちが落ち着き無く見えた部分は言えない。
「そうか、分かった。それを飲んでちょっと休んだら席に戻れ。」
と、声を掛けて出ていった。
僕は課長が出ていった後、口元を覆った。
体の奥からこみ上げてくる笑い。
それと、何が起きているのかわからない不安とが入り混じって、大声をあげそうだった。
こんな形で、僕が望んだ事が叶うなんてという嬉しさ。
でも、それがいっぺんに訪れてきた怖さ。
その両方の感情の波が、僕を心をかき乱して心の中が情緒不安定だった。
そんな気分のまま10分ぐらい会議室を占領していたが、別の班が会議に使うからと言って追い出された。
その足で、自分の席に戻った。